本が売れない時代に異変!? SNSの反響受けた復刊や重版相次ぐ、「全くの想定外」の声も
復刊を専門に行う出版社も
ツイッターを起点に絶版本が復刊するのは、最近の傾向としてよく見られることなのでしょうか。日本で唯一、絶版本の復刊活動を専門に行っているという出版社の復刊ドットコム(東京都品川区)に、現状を聞きました。
復刊ドットコムは、絶版本の復刊専門サイト「復刊ドットコム」を運営しています。会員から「絶版・品切れ」となった書籍のリクエストを募り、一定数以上の投票が集まれば、同社が出版社や著者に復刊の交渉を行い、思いが届けば復刊できる仕組みです。
2000年にサービスを始め、これまでに48万人の会員から5万3000タイトル、85万票のリクエストが寄せられ、約5500タイトルが復刊されました。
代表の岩本利明さんに聞きました。
Q.絶版本を復刊させる事業を始めた理由は。
岩本さん「オンデマンド印刷の会社を立ち上げたところ、一般のお客さまから『小部数で復刊させてほしい本がある』という問い合わせが殺到し、その声を集めるサイトを立ち上げようと思ったことがきっかけです」
Q.最近、絶版本を復刊する動きは盛んなのでしょうか。
岩本さん「『復刊ドットコム』に限れば、年間の復刊点数は集計しておりませんが、会員数、およびリクエスト点数は、ほぼ横ばいで下がっていません」
Q.なぜ、絶版本が注目されるようになったのでしょうか。
岩本さん「原本の年代、タイトル、ジャンルによってさまざまな理由がありますので一概に言えませんが、もともと1980年代のコミックに対して、30代の会員の方の投票が多かったです。ネットの力でユーザーの深層のニーズが集まりやすくなったことも、きっかけかもしれません」
Q.SNSが起点になり、出版社への問い合わせが増えることで復刊する傾向も増加しているのでしょうか。
岩本さん「以前よりも、ネットコミュニティーからのリクエストが多く集まってきています。近年、ツイッターなどSNSからのリクエストは増えてきたと感じています」
Q.復刊を実現させる手段が新たに確立しつつあることを、どのように思われますか。
岩本さん「ユーザーのニーズに応える手法が多く存在することは、復刊ドットコムサイトにとっても喜ばしいことです。一つの方法では無理なことでも、複数の手法でニーズを集められれば、復刊できる本が増えると思っています」
(報道チーム)
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