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中国には「天津丼」も「冷やし中華」もない! 日本で人気の中華料理と本場中国との“ギャップ”

日本にはない中国料理

 天津丼や中華丼はなくても、中国には、日本であまり見たことのない料理がたくさんあります。

 鴨といえば、日本では北京ダッグが有名ですが、これは「カオヤー」(鴨の丸焼き)のことで、他にも多くの鴨料理が日常的に食されています。ファストフードの店でも鴨料理は見かけるので、日本人がイメージする高級料理ではありません。

 鴨の他にも、日本人にあまり食べる習慣がない「鳥料理」があります。

 ハトを食用にしている国は、ヨーロッパではフランスが代表例ですが、中国でも非常にポピュラーです。調理法も焼いたり、スープにしたりとさまざまで、自由市場や大型スーパーでも売られていて、家庭でも手軽に作られています。

 私が中国で初めて出会った料理は数多くありますが、帰国後の今も家で作るのは「ヘチマの油炒め」です。ヘチマというと、小学校の自由研究で成長記録を取った記憶がありますが、実がなった後は、乾燥させてお風呂での体洗いにするくらいで、食用にするという発想はありませんでした。しかし、そのシンプルで優しい味わいは身体によくなじみ、今ではスーパーなどで見かけると、即買いしています。

 柿も同様です。柿はほどよく熟したものが好まれていますが、中国では、日本でいうと腐りかけ寸前、まもなく廃棄というくらい熟しきったものをスプーンですくって食べるか、ジュースのようにして飲みます。私はこれにもハマって、今では、八百屋さんやスーパーで「見切り品」となった腐る直前の柿を探し歩いているほどです。

「月餅」も、日本人がイメージするものとはかなり違いがあります。月餅は一年中あるわけではなく、中秋節前の1カ月間のみ売られる「季節限定商品」です。

 中国の月餅は中身が実に豊富で、代表的なものは小豆あんのほか、五任(オリーブの実、くるみやスイカの種などのナッツ類が主体)、蓮蓉(れんよう。ハスの実)、蛋黄(たんこう。卵の黄身)など数十種以上あるかと思われます。中でも蛋黄は、小豆などのあんに卵の黄身が入っているのですが、鶏の卵ではなく鴨の卵です。塩味なので、甘いあんと溶け合って、絶妙です。

【実際の写真】「えっ…ちょっとグロいかも…」 これが海外の市場に並ぶ生々しい「レバー」です(やや閲覧注意)

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青樹明子(あおき・あきこ)

ノンフィクション作家・中国社会情勢専門家

早稲田大学第一文学部卒、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科修士課程修了。大学卒業後、テレビ構成作家や舞台脚本家などを経て企画編集事務所を設立し、業務の傍らノンフィクションライターとして世界数十カ国を取材する。テーマは「海外・日本企業ビジネス最前線」など。1995年から2年間、北京師範大学、北京語言文化大学に留学し、1998年から中国国際放送局で北京向け日本語放送のキャスターを務める。2016年6月から公益財団法人日中友好会館理事。著書に「中国人の頭の中」「『小皇帝』世代の中国」「日中ビジネス摩擦」「中国人の『財布の中身』」など。近著に「家計簿から見る中国 今ほんとうの姿」(日経プレミアシリーズ)がある。

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