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「24時間テレビ」を批判するだけで、何もしない人の摩訶不思議!

障害者の「お涙ちょうだい」「見世物」?

 皆さんの周りに、障害者はいますか。障害者の家族や両親と話したことはありますか。番組の演出に関して脚色したものがないとは言えません。「障害者を見世物にしている」という意見もあります。しかし、このような意見こそが「差別の元凶」であることを知らなければなりません。

 これが障害者の“ありのままの姿”だからです。障害者や家族は世の中の偏見に苦しんでいます。偏見をなくすには、啓蒙と理解を深めなければなりません。番組出演にあたっては、相当な葛藤があったことでしょう。「汚いと言われるかも知れない」「好奇の目で見られたらどうしよう」。それでも、満を持して番組に出演するのだと思います。

 障害者支援の活動をしていれば分かりますが、障害者は日々、好奇の目にさらされています。従って、「押し付け」「お涙ちょうだい」「見世物」などと評すること自体が失礼極まりないのです。

 そういえば、今年の夏は例年にない酷暑でした。数年前に「アイス・バケツ・チャレンジ」がブームになったのを覚えているでしょうか。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の研究支援には、一定の効果があったものと思われます。多くの著名人がチャレンジに参加して、「継続の必要性」を訴えていました。

 しかし、今年のような暑い夏に、なぜ氷水をかぶらないのでしょうか。「元々チャリティーだし」「やったのは芸能人や有名人だし」というのであれば非常に残念です。疾病や福祉に対する意識啓蒙を深めるためにも、継続は必要です。

 1972年に米ペンシルバニア州裁判所は「Pennsylvania Association for Retarded Children」を宣言しています。これは、差別的な教育に対する是正を求めたもので、教育のダンピングを招く危険性があることへの警告になります。

 内閣府の「平成29年度 障害者白書」によると、身体障害者は392万2000人、知的障害者は74万1000人、精神障害者は392万4000人とされています。国民の6%が何らかの障害を有するとも言われる中、障害者政策は私たちにとって喫緊の課題です。

 なお、筆者は表記について「障害者」を使用しており、「障がい者」は使用しません。過去には、多くの障害者が権利を侵害されてきた歴史が存在します。それらの歴史について、言葉を平仮名にすることで本質が分かりにくくなる危険性があるため、「障がい者」を使用していないのです。

(コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所客員研究員 尾藤克之

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「頭がいい人の読書術」(すばる舎)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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