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【スイカの日】実は“食べる派”も多いスイカの「皮」! 管理栄養士に聞いて分かった「実は栄養たっぷり」という事実

7月27日は「スイカの日」。果肉を食べた後の「皮」、あなたは食べますか? それとも捨てますか? スイカの「皮」の栄養からおいしい食べ方まで、管理栄養士が教えます。

スイカの「皮」あなたは食べる?
スイカの「皮」あなたは食べる?

 7月27日は「スイカの日」。スイカの消費拡大を目的に制定されたという記念日です。スイカといえば、独特のシャリシャリ食感が特徴的な赤い果肉と、緑と黒のしま模様が入った皮が特徴的。冷たく冷やして食べる果肉は暑い夏にぴったりですが、あなたは食べ終わった後の「皮」をどうしていますか?

 ネット上では、「実家では皮を漬物にして食べてた」「スイカの皮のピクルスおいしいよね」「皮も結構好き」という“皮も食べる”派と、「普通に捨ててる」「皮を食べるの…?」「スイカの皮って食べられるの!?」という“食べずに捨てる”派に分かれているようです。

 スイカの「皮」は食べるのか、それとも捨てるのか、どうするのがよいのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんが解説します。

「果肉よりも豊富」な栄養素も!

 スイカというと、「野菜なのか果物なのか、どっち?」という疑問を持っている人も少なからずいるのではないでしょうか。

 スイカは、分類上は野菜ですが、一般的には果物として扱われている「果実的野菜」です。4月ごろから出回り始め、シーズンは8月ごろまでです。90%以上が水分で、赤い果肉には、抗酸化作用のある「カロテン」と「リコピン」が含まれています。他にも、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄、カリウムといったミネラル類など、多くの成分をバランスよく含んでいます。

 また、スイカの果汁から発見された「シトルリン」というアミノ酸の一種が多く含まれており、血管のしなやかさを保つ作用や、血流の流れをよくしてくれる作用、抗酸化作用の他、むくみの解消や集中力アップにも効果的だといわれています。

 スイカといえば、大玉で、皮は深緑色に黒いしま模様があり、赤色の果肉に多くの黒い種があるのが一般的ですが、小玉のもの、黄色い果肉、種なしなど、さまざまな品種が多く出回っています。シャリシャリとした食感と、みずみずしい果肉が特徴ですが、皮にハリとツヤがあり、しま模様がくっきりしているものが特においしいとされています。

 ちなみに、スイカは中心部ほど甘いため、カットする際は中心部が行き渡るように切り分けると、どれを取ってもおいしく食べられます。

 そんなスイカですが、果肉だけでなく「皮」も食べることができます。しかも、先述した果肉部分の栄養成分が、皮の部分にも同様に含まれているのです。皮の部分はシトルリンやカリウムが果肉よりも豊富で、特にシトルリンは2倍もの量が含まれています。

 とはいえ、スイカは赤色の果肉部分のみを食べることがほとんどで、皮部分は「食べられないもの」と捨てられることが一般的かと思います。実際のところ、そのまま食べるには甘みが少ない上、青臭さもあって食べにくい部分です。そのため、無理に食べる必要はないと思います。

 しかし、文部科学省の「食品成分データベース」によると、スイカの廃棄率は40%です。皮は水分が多く、重みもあります。つまり、1個のスイカのうち、40%もの部分を皮が占めており、その部分が捨てられていることになります。

 スイカの皮の部分も、実は調理次第でおいしく食べることができます。果肉の部分より多く摂取できる栄養素もあるので、この夏、ぜひチャレンジしてみていただきたいです。

【画像】「えっ…おいしそう…!」 これがスイカの皮を使った「浅漬け」です!

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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