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理想の死に方「ピンピンコロリ」…実は“ほぼ実現”できている? “無病からの急死”ではない本当の定義

「ピンピンコロリ」が実現する可能性、実は高い?

 健常~要介護1までを「自立期間=ピンピンした状態」だとすると、その割合は、80歳代前半で約88%、80歳代後半で約77%、90歳以上で54%となっています(厚生労働省「介護保険事業報告」から筆者算出)。

 65歳の人の平均余命は、男性で19.85年(約85歳)、女性で24.73年(約90歳)です。従って、ピンピンコロリの確率(健常~要介護1までで亡くなる可能性)は、7~8割はあるということになります。90歳を超えても、ピンピンコロリは5割くらいの確率で実現するということです。

 ホスピス財団が行った「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2023年」で、理想の死に方について聞いています。それは、2択になっています。「ある日、心臓病などで突然死ぬ」か「(寝込んでもいいので)病気などで徐々に弱って死ぬ」の、どちらかを選ぶ方式です。

 つまり、「急死」か「寝たきり」かという究極の2択。そう聞かれれば、寝たきりを嫌がる人が多いに決まっています。実際、70代は、76.7%が「急死」を選びました。しかし、現代では医療の発達などで、急死はなかなか難しいもの。このような調査結果をもって、「ピンピンコロリを望む人が多いが、(急死という意味の)ピンピンコロリはなかなか難しい」とするのはあまりに強引でしょう。

 多くの高齢者が望んでいるピンピンコロリとは、無病からの急死ではなく、「終末期の直前まで、要介護1くらいまでで自立生活ができていること」です。そう考えれば、実は、もう既にピンピンコロリはおおむね実現しているといっても過言ではないのです。

(NPO法人・老いの工学研究所 理事長 川口雅裕)

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川口雅裕(かわぐち・まさひろ)

NPO法人「老いの工学研究所」理事長、一般社団法人「人と組織の活性化研究会」理事

1964年生まれ。京都大学教育学部卒。リクルートグループで人事部門を中心にキャリアを積む。退社後、2012年より高齢者・高齢社会に関する研究活動を開始。高齢社会に関する講演や執筆活動を行うほか、新聞・テレビなどのメディアにも多数取り上げられている。著書に「年寄りは集まって住め ~幸福長寿の新・方程式」(幻冬舎)、「だから社員が育たない」(労働調査会)、「チームづくりのマネジメント再入門」(メディカ出版)、「速習! 看護管理者のためのフレームワーク思考53」(メディカ出版)、「なりたい老人になろう~65歳から楽しい年のとり方」(Kindle版)、「なが生きしたけりゃ 居場所が9割」(みらいパブリッシング)、「老い上手」(PHP出版)など。老いの工学研究所(https://www.oikohken.or.jp/)。

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