「お風呂場が臭い!」と感じたときに掃除するべき“5つの場所”って? 掃除のプロが徹底解説
カビや湿気といったにおいの要素が複数あり、悪臭が発生してしまいやすい「お風呂場」。お風呂場のにおいを取り除く掃除術を、掃除のプロに聞いてみました。
「お風呂場に入ると、なんだか臭い…」。そう感じたとき、あなたはどうしますか。1日の汚れや疲れを落とす場所であるお風呂場から不快なにおいがしたら、気分も落ちてしまうもの。しかしお風呂場は、カビや湿気といったにおいの要素が複数あり、悪臭が発生してしまいやすいのも事実です。
「お風呂場が臭い!」と感じたとき、どこをどのように掃除すればいいのでしょうか。お風呂場のにおいを取り除く掃除術について、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。
「浴槽エプロン」内にも悪臭の原因が
Q.そもそも、なぜお風呂場は悪臭が発生しやすいのですか。
有賀さん「お風呂場に発生しやすい主な悪臭は、『カビ臭』『下水のような臭い』『もわっとした鼻につく臭い』などです。中でも、最も多いケースがカビ臭かと思います。お風呂場は体の汚れを洗い流す場所であり、高温多湿になりやすい場所なので、カビが好む温度・湿度・栄養源の“3条件”がそろいやすいことが一因です。
また、お風呂場をよく観察すると、私たちが思っている以上に造形が複雑で、汚れがたまりやすい構造をしていることが分かると思います。下水のような臭いがしやすい排水トラップ一つを見ても、ヘアキャッチャー、封水筒、ゴムパッキンなどさまざまな部品で構成されていますし、床も水切れが早くなるように凸凹していて、溝が多い構造であることも多いです。そういったところにたまった汚れからも、カビ臭や、もわっとした鼻につく臭いが発生してくることも十分に考えられます。
さらには、浴槽にお湯を張ったり、追いだきをしたりしたときに臭う場合は、風呂釜の配管に、雑菌が大量に繁殖していることが原因とも考えられます」
Q.「お風呂場が臭い!」と感じたとき、チェックすることが推奨される場所はどこでしょうか。
有賀さん「お風呂場で不快な臭いがしたとき、チェックするとよい場所は次の5カ所です」
【排水トラップ】
下水のような臭いがしたとき、一番にチェックしたいところです。流した汚れを排水する場所なので、髪の毛やせっけんと一緒になった皮脂汚れなどが最もたまる場所といえます。
汚れを放置しているとドロドロ、ヌメヌメした汚れになり、下水のような悪臭がするだけでなく排水の流れも悪くなって、床に排水された水があふれ出てしまい、さらに汚れを広げてしまうことにもなります。
へアキャッチャーの汚れをペーパーなどで取り除いた後、封水筒やゴムパッキンなど外せる部品は全部外して、ブラシなどで丁寧に水洗いをしましょう。汚れが気になる場合は中性洗剤を使ってもよいでしょう。
【浴槽エプロン】
「浴槽エプロン」とは、浴槽の側面を覆うカバーのことです。全ての浴槽にあるわけではないのですが、お風呂場全体のカビ取り掃除をしたのにカビ臭が取れない場合は、浴槽エプロン内に原因がある可能性大です。
この浴槽エプロンは外して掃除することができます。取り外すと、浴槽の外側全体と普段は見えない部分の床面が現れるので、市販のカビ取り剤を使って掃除をしましょう。浴槽の裏側に手が届かない場合もあるので、裏側まで届くようなブラシなど掃除道具を自作する、高圧洗浄機を使う、汚れが手ごわい場合は専門業者に依頼するなど、さまざまな方法を検討してみるとよいでしょう。
【風呂釜の追いだき配管】
普段は見えない部分なので、なかなか気付きにくく、目が届かない場所の一つです。特に追いだきができる浴槽は、入浴時のお湯を循環させて温めるため、配管内に雑菌が残って繁殖しやすくなります。使用状況によっては、雑菌が塊になってヌメヌメした「バイオフィルム」がお湯と一緒に出てくることもあります。月1回程度を目安に、市販の配管洗浄剤を定期的に使うようにしましょう。
【壁面や床、椅子などの小物類】
鼻につくもわっとした臭いは、頭や体を洗ったときにせっけんと皮脂が一緒になった汚れが壁面や床、椅子などの小物類に飛び散って、そのまま放置されたときに発生しやすいです。
「浴槽は毎日掃除しても、壁面や床はなかなか掃除をしない」というケースも多いかもしれません。中性洗剤または弱アルカリ性洗剤と、スポンジやブラシを使って洗い流しましょう。
【換気扇フィルター】
ほこりがたまりやすい場所です。浴室内の換気が滞ると臭いがこもりやすくなり、カビが発生する場合もあるので、特に浴室で洗濯物を乾燥させている場合や、24時間換気機能がついている場合などは小まめにチェックしたい場所です。フィルターをブラシなどで優しく水洗いし、よく乾燥させてから戻しましょう。
コメント