「ナルシスト丸出しだな」…“第一印象は最悪”から始まる恋愛、アリ? ナシ? 47歳シングルマザーが恋に落ちた実話
ちゃんと話してみなければ、相手のことは何も分からない
自分が思っていた印象と180度違う亮さんを知ることになり、坂子さんはとても反省したそうです。亮さんに改めてお礼を告げ、そこから亮さんを信頼するようになりました。積極的にコミュニケーションを取りながら仕事を遂行し、プロジェクトは成功を収めます。
あるとき、プチ打ち上げの流れから、お酒に強い2人だけが最終的に残り、2次会に行くことになりました。坂子さんは酔っ払った勢いもあり、「第一印象は最悪だった」と亮さんに告げます。すると亮さんが「昔、クラスにこういう真面目な学級委員タイプいたよなー。規則に縛られて笑ってくれないやつ。超苦手だなーって思ってた」と。2人ともお互いに、最初の印象は最悪だったのです。
その後もいろんな話をする中で、亮さんが20代前半で結婚してすぐに離婚し、元妻に引き取られた一人娘はもう成人していて、仲良く2人で出かけているという話を聞きます。シングルマザーとして高校生の娘を育てていた坂子さんは、そんな話から、急に亮さんを男性として意識し始めます。
その後も2人で飲みに行くことが増え、仕事はもちろん、プライベートの相談などもしている中で急激に仲が深まり、今は会社に内緒でお付き合いを始めました。
「こんなに何でも同じ目線で信頼して話ができる男性が現れるなんて、思っていませんでした。性格は真反対なのに。離婚後、友人の紹介で一度彼氏ができたこともありましたが、この年齢になると相手に合わせることが苦痛です。すぐに別れてしまったんです。こんなに同じ価値観で一緒にいられる彼は本当に貴重だと思います」
坂子さんも彼も離婚の大変さはよく分かっているし、今のところ結婚するつもりはないそうです。しかし、この先どうなるかは誰にも分かりませんね。
第一印象はあくまでも表面的なもの。他にも若いカップルで、「初めて会った日は相手がストリート系コーデで固めていたから『世界が違う』と感じたけれど、とても人当たりがいいので付き合うようになり、自分もストリート系の服を買うようになった」という女性もいます。
趣味も外見も全く違う相手だからと距離を置くより、一歩踏み込んでみることで「印象と違う!」と発見することがあります。相手を深く知った先に、思いもよらない幸せが待っているかもしれません。とはいえ、猫をかぶっている場合もあるので、そこを見極めるにはまず「対話」と「観察」です。
第一印象は大切にしながら、変化球を投げてみる。「ない、ない、ない」と感じた相手にも変化球を投げると、しっくりした反応が出てくる場合もあるのです。時間をかけて、自分の気持ちを確かめてみてください。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)
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