オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

“フェアプレー”日本代表にマナーの専門家もエール「気持ちの切り替えも一つのマナー」

サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本代表はH組2位で見事に決勝へ進出。しかし、ポーランド戦での試合運びに賛否両論が起きています。

ポーランド戦後、サポーターにあいさつする日本代表(Getty Images)
ポーランド戦後、サポーターにあいさつする日本代表(Getty Images)

 熱戦が続くサッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会。日本代表は6月28日、決勝トーナメント進出をかけて1次リーグ最終戦のポーランド戦に臨み、結果こそ「0-1」で敗れましたが、コロンビア-セネガル戦の結果を受けてH組2位で決勝進出を決めました。

 しかし、日本代表がこの試合で、コロンビア-セネガル戦の経過を見ながら、終盤に消極的なパス回しに終始したことが、各方面から批判されています。ポーランドが先制した試合は「0-1」のまま終盤へ突入。同時間帯にコロンビアがリードしていたため、フェアプレーポイントで上回る日本はパス回しに徹したのです。

 この戦術について、各メディアや専門家が賛否両論を展開していますが、「マナー」の観点から、日本代表が気持ちを切り替えて決勝トーナメントを戦うことが大切だ、と語る専門家もいます。

ポーランド戦までの“姿勢”

「それぞれに思うことはあると思います。そのお気持ちは理解できますが、西野朗監督や選手たちの立場に立って、監督の決断とそれに従った選手たちの気持ちを尊重してあげることも大切だと思います」

 こう話すのは、国内外の企業や大学で人財育成教育やマナーコンサルティングを行う、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんです。

 西出さんが着目するのは、ポーランド戦に至るまでの日本代表の“姿勢”です。

「ポーランド戦だけがフォーカスされがちですが、日本代表が決勝トーナメントへ進めたのは、過去の試合で『マナー』、つまり『フェアプレー』を貫いたからこその結果です。ポーランド戦後、海外メディアで、『日本代表は、出場したワールドカップの全19試合におけるレッドカードがゼロだ』と紹介されました。

スポーツの世界においても、マナーは大切であり、マナーを持ってプレーすることが勝利につながると言えるのです」

 西出さんは、選手たちの気持ちについて「決して晴れ晴れしいものでないでしょう」としつつ、日本代表の決勝トーナメントの戦いに注目します。

「決勝トーナメントで、自分たちはもちろん、サポーターを含むたくさんの人たちが納得できる、素晴らしい試合を見せてくれることを期待します。この機会を大いに生かし、さらに勝ち進んでいくという前向きな気持ちを持つこと。気持ちを切り替え、日本代表の皆さんと私たちサポーターの『Win-Win』を作り出すことも一つのマナーなのです。

決勝トーナメントでの勝利に向けて、監督や選手たちへの温かい気持ちを、言葉と行動で伝えて差し上げたいですね」

(ライフスタイルチーム)

西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

コメント