礼儀知らずな夫、帰省やPTAを拒否する夫婦…「幸せ」の価値観に影響する“マナー感覚”の相違
結婚前はそこまで気にならなくても、結婚すると途端に重要となるのが「マナー」「礼儀」に関する価値観です。この一致やズレが夫婦関係に与え得る影響について、実例とともに考えます。
「パートナーの基本的なマナー感覚が、自分と微妙に違っていて困惑する」という話はよく聞きます。お付き合い期間は、ある一定の緊張感をお互いが持っていることに加え、礼儀を披露するシチュエーションがそれほど頻繁にない、ということも一因でしょう。
しかし結婚生活は違います。お互いの両親、親戚、会社関係者、近隣住民、子ども関係の人たちなど、マナーや礼儀をもって接しなければいけないことが山のようにあります。そのときに、お互いの価値観が違ったら…それこそ夫婦げんかの勃発原因になります。
マナーや礼儀への価値観が似ているのか、それとも天と地ほど違うのか、早めの確認とすり合わせをする必要があります。「恋人・夫婦仲相談所」所長の筆者が聞いた実際のエピソードを見ていきましょう。
礼儀知らず、マナー知らずの“似た者夫婦”
由香里さん(37歳、仮名)と健さん(33歳、同)は合コンで出会い、半年後に結婚したというスピード婚のご夫婦。由香里さんいわく、「出会った瞬間に『この人だー!』と思って、私から猛烈にアプローチして『結婚したいから付き合って!』と迫り、ゴールインしました。今でも大好き。一緒にいると楽だもの」と。結婚8年目ながらラブラブぶりに驚かされました。
3歳と7歳のお子さんがいるこのお二人、趣味が共に「推し活」。それぞれ対象は違うけれど、“推し”にかける情熱や本気の姿勢が一致しているので、ちゃんと理解し合っています。
そして強烈なのが、いわば日本人が重んじる協調性やお付き合いといったことに、完全に無頓着な点が似ているところ。
「お正月やお盆に実家に帰るとか、子どもの学校で委員をやらないといけないとか、本当に意味が分からないです。やりたくないことをやるからお金がもらえるのが仕事ですよね。プライベートは完全に自分がしたいことしかしません。ママ友とかいらないし。推し活仲間で同い年くらいの子どもを持つ親がいても、子どもの話もしないですし」という徹底ぶり。
会社の行事にも参加せず、学校のPTAにも不参加。もちろん帰省もしなければ、お互いの両親が孫に誕生日や入学のお祝いを贈ってくれても、LINEで各々が連絡するだけだそうです。
「周りと関わる感覚が同じでよかったなって思います。これが『お正月は夫の実家に帰省するもんだ』とか言われたら地獄ですよ。そういう人じゃないのを選べたのも、やっぱり趣味が一緒だったからなのかな」
実家とのお付き合いといえば、「お互いのきょうだいが結婚したときに、お祝いは贈りました」。完全に自分の世界を貫いていて、二人で満足した結婚生活を送っています。
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