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故人をしのび、遺族を思いやる「弔事のマナー」

身近な人の訃報はいつも悲しいものですが、しっかりとした「弔事のマナー」こそ、故人を心から弔うことにつながります。ここでは、知らせを受けてからの準備や、宗教・宗派ごとの違いについて、わかりやすく解説していきます。

知らせを受けたら・・・

 どのような時でも訃報は悲しいものです。故人をしのぶ気持ちを大切にし、急なお知らせにも落ち着いて準備しましょう。親しい関係の場合は通夜・葬儀のどちらにも参列します。それ以外の場合は、できるだけ葬儀に参列するようにしますが、最近は仕事などの都合で日中の葬儀よりも通夜に参列することも多くなっています。

 参列が決まったら、まずは通夜・葬儀の日程、宗教・宗派を確認しましょう。その際、取り込み中の故人の自宅に連絡するのは極力控え、友人や知人などへ問い合わせるなど別の方法で確認します。

香典の準備

 香典の不祝儀袋・表書きは宗教・宗派によって異なります。


宗教や宗派によって異なる水引や表書き(※浄土真宗では「御霊前」は使わず「御仏前」とします)

 表書きは薄墨の毛筆や筆ペンを使用します。お金は封筒形式の「中包み」にお札の顔の面が裏になるように入れます。中包みの裏面には住所と氏名(フルネーム)、金額を「金○○円」と記入しますが、縦書きで漢字を使う場合は大字で書くと間違いがなくてよいでしょう。横書きなら算用数字で構いません。

※大字の例:壱(一)・弐(二)・参(三)・伍(五)・拾(十)・阡(千)・萬(万)

 金額は5000円をめどに、関係性を考慮して包みます。


金額の相場は故人との関係によって変動する

 訃報は急なものであるため、弔問できない場合には、弔電を打ったり香典を郵送したりしても構いません。その際は、不祝儀袋に入れ現金書留で送るようにします。

 通夜と葬儀のどちらにも参列する場合は、先に行われる通夜に持参するのが一般的です。当日は不祝儀袋のままではなく、必ず袱紗(ふくさ)や小さな風呂敷などに包んで持参するようにします。弔事での袱紗は紺やグレーなど控えめな色のものを選びます。紫色のものは慶弔どちらに使っても構いません。

 袱紗の包み方は、慶事とは逆の「左包み」です。袱紗を広げ、四隅の一角を上側にして不祝儀袋を中央に置きます。それぞれの角を右→下→上→左の順に折り、最後に裏返して左側からかぶせるようにします。 受付では「このたびはご愁傷さまです」などと弔意を述べ、袱紗を解き香典を相手に向けて両手で渡した後、芳名帳に記帳し会場に入ります。受付がない場合は焼香の際に祭壇に供えます。

服装の準備

 訃報を受けてすぐに駆け付ける場合は、準備していたかのように受け取られかねない喪服ではなく、地味な平服で弔問するのがマナーです。最近のように、知らせを受けてから通夜まで時間がある場合には、通夜にも喪服を着用することが多くなっています。

<男性>

 一般会葬者では、通夜は略礼服のダークスーツ、葬儀は準礼服のブラックスーツが正式ですが、どちらもダークスーツで構わないでしょう。ワイシャツは白、ネクタイ・靴下・靴などは黒で統一します。ネクタイピンやカフスボタンは控えます。

<女性>

 一般会葬者は、ブラックフォーマルと言われる準礼服、もしくは黒のワンピース・濃いグレーのスーツなど略礼服でも構いません。ストッキング・靴・バッグなどは黒で統一します。バッグは光る素材や皮革製品は避けてください。化粧は普段より薄く、長い髪はまとめるようにしましょう。香水はつけません。アクセサリーは結婚指輪のみにしますが、涙を意味する真珠のネックレスは「一連」のものだけ例外として許されます。

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平口良子先生(マナー)

平口良子(ひらぐち・りょうこ)

ラヴィーナ代表

NPO法人日本マナー・プロトコール協会認定講師。企業・団体での新人研修・階層別研修、中学校PTA総会での講演、高校での総合学習指導等を行う。マナーは円滑な人間関係の基本であると同時に、自分自身の心をも温かくするものであることを、心理カウンセラーとしての視点も踏まえながら研修等で伝えている。

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