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「させていただく」が乱用される背景? テレビが間違えていることも

テレビで拡大する「させていただく」現象

 最近では、テレビでタレントがよく使用している「させていただく」ですが、丁寧な話し方だと思っているのでしょうか。「出演させていただきます」「お付き合いさせていただいております」などは、不可解なへりくだりにしか聞こえません。

 先日、テレビの料理番組で次のような表現を使っているアナウンサーがいました。

「それでは、いただかさせていただきます」
「いまから召し上がらさせていただきます」

「それでは、いただきます」「遠慮なく頂戴します(orいただきます)」で十分のはずです。このアナウンサーの言い方では二重敬語になってしまいます。二重敬語とは、同じ種類の敬語を重ねて使用することを指します。他のケースでは尊敬語を重ねた「おっしゃられる」「~ご覧になられましたか」や、謙譲語を重ねた「ご参上される」なども当てはまります。

 最近、スマホで文字を書くことが多くなったせいか、意味不明な言葉や非礼な文章が増えたように感じています。この機会に、「大人にふさわしい文章力」を身に付けたいものです。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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