「させていただく」が乱用される背景? テレビが間違えていることも
テレビで拡大する「させていただく」現象
最近では、テレビでタレントがよく使用している「させていただく」ですが、丁寧な話し方だと思っているのでしょうか。「出演させていただきます」「お付き合いさせていただいております」などは、不可解なへりくだりにしか聞こえません。
先日、テレビの料理番組で次のような表現を使っているアナウンサーがいました。
「それでは、いただかさせていただきます」
「いまから召し上がらさせていただきます」
「それでは、いただきます」「遠慮なく頂戴します(orいただきます)」で十分のはずです。このアナウンサーの言い方では二重敬語になってしまいます。二重敬語とは、同じ種類の敬語を重ねて使用することを指します。他のケースでは尊敬語を重ねた「おっしゃられる」「~ご覧になられましたか」や、謙譲語を重ねた「ご参上される」なども当てはまります。
最近、スマホで文字を書くことが多くなったせいか、意味不明な言葉や非礼な文章が増えたように感じています。この機会に、「大人にふさわしい文章力」を身に付けたいものです。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
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