離婚は「人生の失敗」? 「新たな出発」? 共に経験した母と娘の「離婚観ギャップ」
娘は、優し過ぎる夫に飽きて離婚
悠子さんの娘の璃子さんは19歳のとき、バイト先の7つ年上の店長と結婚し、娘の咲(さき)さん(仮名)に恵まれました。子育てにも協力的で優しい夫でしたが、社交的でまだまだ刺激が欲しいお年頃の璃子さんは、そんな夫がどんどん物足りなくなります。
そして夫に、「あなたのことは嫌いじゃないけど、私はまだ若いし、いろんな経験がしたい。浮気して悲しませるのも嫌だし、離婚してほしい」と伝えます。夫は動揺しましたが、既に好きな人ができたという璃子さんを引き止めることはできないと、離婚に合意します。そして璃子さんは実家に戻り、一時的に悠子さんと暮らし始めます。悠子さんは璃子さんに、「どうして、優しくて浮気もしない旦那さんと離婚するの? お願いだから思いとどまって」と言ったそうです。璃子さんは、こう言います。
「母は、私が離婚したのは自分(悠子さん)のせいだと言うんです。冗談じゃないですよ。どうしてそんなに、自分に影響力があると思うんですかね。私も咲も楽しく暮らしているのに。私たちの顔を見ると悲しい顔をしたり、咲に『おばあちゃんのせいでごめんね』とか言ったりするんです。孫に謝るおばあちゃんなんていますか? うっとうしいので、仕事とアパートを見つけてすぐ実家を出ました。今は娘と2人でとっても快適です。元夫との関係も良好ですし、幸せです」
悠子さんと璃子さん。“離婚をした”という事実は同じなのに、どうして、受け止め方やその後の人生の感じ方が違うのでしょうか。人には持って生まれた性分があります。それを変えるのはとても大変です。「離婚は大変だけど気分一新できる、新しい自分になれる」とプラスに捉えると、毎日が輝き始めます。「離婚のせいで周囲が不幸になる」とマイナスに感じてしまう人は、周囲にとって迷惑です。家族が応援しようとしても、卑屈な言葉と態度で返ってくると、応援する気もうせてしまうでしょう。
離婚に対する捉え方を変えるだけで、全く違う世界が見えてきます。人生の失敗と考えず、「ギアチェンジ」と捉えて、離婚後の生活をアクセル全開に送り、新しいハッピーを勝ち取ってください。
(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)
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