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「正論を振りかざす人」はダメではない! なんでもハラスメントにしたがる風潮に違和感

正論が好ましくない場面

 不祥事や事故があった際に、役員や関係者が、不祥事や事故の実態を知っていながらゴルフに出掛けていたり、旅行に出掛けていたり、宴会をしていたなどという記事を目にしたことはありませんか?

「これは慰労の一環です。ゴルフは半年前から決まっていたことで健康管理を目的にやっています。問題があるとは考えていません」

 この内容が事実でも、一般の人には居直りとも取れる印象を与えてしまうでしょう。建前でも、「会社のコンプライアンス部門に実態調査の指示を出しました。結果が分かり次第、報告したいと思います」と公表しておけば、問題が大きくなることはないはずです。

 2018年の自民党議員の宴会「赤坂自民亭」も同じような理屈です。西村康稔官房副長官
(当時、以下同)らがツイートしたもので、安倍晋三首相、岸田文雄政務調査会長、小野寺五典防衛相ら自民党議員が仲むつまじく杯を上げている写真が投稿されました。しかし、このとき、日本では豪雨災害の危険が高まっていました。

 未曽有の水害が起き始めているときに、首相、防衛相ら政府与党の首脳が酒盛りをしていたのです。仮に「定期的な会合で、予定が決まっていた」と主張したとしても、批判が集まるのは当然のことでした。正論や持論は、時と場合によってはマイナスイメージを与えてしまいます。

正論を振りかざすときに注意すべきこと

 私がある会社の役員をしていたときのエピソードになります。営業部の部長がメンバーを鼓舞するために、受注が決まる度に、細かい数値達成の状況や、営業努力をねぎらうメールを全社に送信していました。

 しかし、会社には営業部門以外のさまざまな部署が存在します。別部門(システム部)の部長が「そのような送信は部内にとどめてほしい。おのおの、部門の役割は異なるし、全社メールは自部門の成果を披露するものではない」と忠告してきたのです。

 しかし、その内容に対してすかさず社長が「あなたの主張は正論だと思います。ただし表現としては最低です。あなたは上司が部下をねぎらうための行動をどのように思っているのですか」とたしなめました。社長の対応は絶妙だったと思います。

 もし、あなたが面倒なことに巻き込まれたくないのなら、影響度をシミュレーションする必要があります。「この発言をしたらどうなるか」をシミュレーションするのです。それが正論でも、好ましくない結果になりそうなら、別の方策が必要になるということです。注意深くなることで、くだらないロジハラブームに流されることもなくなるはずです。

(コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員/議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て現職。障害者支援団体のアスカ王国を運営。複数のニュースサイトに投稿。18冊目「伝わる!バズる!稼ぐ!文章術」(秀和システム)発売。プロフの詳細はWikipediaを参照(http://w.wiki/at5)。

筆者への連絡先
bito@askap.net
TW:@k_bito

コメント

1件のコメント

  1. 首肯し兼ねる