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ブラシを見てショック! 産後に白髪、抜け毛が増えるのはなぜ?

産後、抜け毛や白髪が増えて戸惑う女性は少なくありません。なぜ、産後に白髪や抜け毛が増えてしまうのか、産婦人科医に聞きました。

産後に白髪や抜け毛が増加…どうすればいい?
産後に白髪や抜け毛が増加…どうすればいい?

 妊娠・出産を経た女性の体には、さまざまな変化がつきものです。中でも、「髪の毛」の変化に戸惑ったり、悩んだりする女性は少なくないようで、「産後、白髪が一気に増えてかなり困惑した」「ブラシでとかしたとき、髪の毛がごっそり抜けてショックだった」「もともと毛量が多くない方だから不安だった」などの体験談や、「どうして産後に白髪が増えるの?」「抜け毛が落ち着くのはいつ頃?」といった疑問の声が上がっています。

 産後の女性の髪に、白髪や脱毛などの変化が起こるのはなぜなのでしょうか。産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

女性ホルモンの急激な減少が原因

Q.産後の女性について、白髪や抜け毛が増えることがあるのはなぜですか。

尾西さん「産後に抜け毛が増えて急に老けた印象になり、ショックを受けるのはつらいことですよね。産後、急に脱毛するのは『分娩(ぶんべん)後脱毛症』と呼ばれます。通常、毛周期は(1)髪が太く長く育つ『成長期』(2)髪の成長が止まる『退行期』(3)寿命が来た髪が抜ける『休止期』のサイクルを繰り返していますが、妊娠中に増加する女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の働きで『成長期』が延長し、一時的に髪の毛が抜けにくくなることで毛量も増えやすくなります。しかし産後、一気にホルモンが減少するとともに、一度に抜けてしまうのです。

一方、白髪が増えるのは、毛母細胞にある『メラノサイト』という色素をつくり出す細胞を刺激していた女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ることで、メラノサイトが機能低下に陥り、髪に色を付けるメラニン色素が減少するためと考えられます。また、産後の授乳による栄養不足や睡眠不足、疲労によるストレスなども、産後の脱毛や白髪の原因と考えられます」

Q.妊娠中は毛量が増えやすいとのことですが、白髪は妊娠中からみられるケースもあるのでしょうか。

尾西さん「妊娠中に白髪が増加するというケースも見られます。白髪の原因は加齢や遺伝の他に、ストレスや生活環境も大きく影響しています。妊娠による身体的なストレスや、赤ちゃんに優先的に栄養を含んだ血液が送られることで、血行不良や栄養不足になっていることが原因と考えられます」

Q.産後の白髪・抜け毛は、どんな女性にも起こり得るのでしょうか。また、おおよそいつ頃まで続くものなのですか。

尾西さん「産後の白髪や脱毛の時期は個人差が大きいものの、産後2〜3カ月くらいに始まり、3カ月から6カ月をピークに、1年くらいで元に戻るケースが多く見られます。ただ、白髪の場合は年齢・遺伝的なものが出産をきっかけに始まることもあり、その場合は元には戻らないこともあります」

Q.産後、増えた白髪を隠すために「白髪染め」を行っても問題ないのでしょうか。

尾西さん「産後、白髪染めを使用することは問題ありません。気になるからといって抜くのはNGです。1つの毛穴から2、3本の髪が生えていることがあり、そのうち1本だけが白髪ということも少なくありません。その場合、無理に抜いてしまうと、他の元気な毛にもダメージを与えてしまうので、やめておきましょう」

Q.産後、白髪や抜け毛が増える時期の最中に、白髪を改善したり、抜け毛の量を軽減したりすることはできるのでしょうか。

尾西さん「先述の通り、産後の白髪や脱毛には年齢や遺伝だけではなく、ストレスや生活環境が大きく関わっています。そこで、まずは生活環境の改善を始めてみましょう。ストレスがあるとメラノサイトの働きが鈍ったり、自律神経が乱れる(交感神経が優位になる)ことで頭皮の血行が悪くなったりするので、有酸素運動や入浴、頭皮のマッサージなどで血行をよくすることを意識してみてください。赤ちゃんがいると難しいとは思いますが、リラックスできる時間も持ちましょう。

また、成長ホルモンの分泌が活発になる午後10時から午前2時の間にしっかり睡眠を取るようにすること、そして、髪を作るもとになるタンパク質、亜鉛や銅、鉄といったミネラル、またビタミンBをしっかり取るように心掛けましょう」

(オトナンサー編集部)

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尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性の全ての悩みに応えられるかかりつけ医として、都内の産婦人科クリニックに勤務。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。

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