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「初詣」はいつ、どこへ行く? さい銭額や祈願内容は? 2000人調査 専門家の意見も

まず感謝、次にお願い事

アンケートへの回答から抜粋
アンケートへの回答から抜粋

 次に初詣の意義や作法、アンケート結果の受け止めについて、日本礼法家元で、令和椿和文化協会会長の椿武愛子(つばき・むつこ)さんに聞きました。

Q.そもそも、「初詣」とは。始まりや意味について、教えてください。

椿さん「江戸時代、新年に自分の地域の氏神様や、檀家(だんか)となっているお寺さんにお参りすることから始まったという説があります。『初詣というと神社』と思っている人も多いと思いますが、お寺も初詣の場として適切です。意味としては、年の初めにお参りして、まず、前の年、無事に過ごせたことに感謝し、それから、『今年1年間幸せになれますように』とお願いすることで、新しい一年を無事に過ごせるよう祈る行事です」

Q.初詣は神社、お寺、どちらがいいのでしょうか。参拝する場所の選び方も含めて教えてください

椿さん「神社、お寺、どちらでもいいです。有名な、大きな神社やお寺にお参りする人もおられますが、まずは自宅近くの氏神様や、檀家となっているお寺が初詣の場としては適切です。すぐ近くで、皆さんをずっとお守りしてくれているのですから。有名な寺社に行くのであれば、その後がいいでしょう」

Q.参拝時の作法で、気を付けるべきことを教えてください。

椿さん「神社に行く人が多いので、神社について説明します。まず、鳥居の前で一礼して、鳥居をくぐります。参道の中央は『神様が通られる場所』と捉えることがあるので、真ん中を歩くのは避けましょう。本来は次に手や口を清めるのですが、コロナ禍で使用をやめている所もあるので、その説明は割愛します。

拝殿や本殿での参拝の作法は神社によって違うことがあります。多くの神社では『2礼2拍手1礼』ですが、出雲大社(島根県出雲市)や新潟県などの弥彦神社では『2礼4拍手1礼』だそうです。この『4』は春夏秋冬、四季への感謝の気持ち、あるいは四方(東西南北)の神様に参拝を伝えるためと言われています。これは初詣に限らず、日常の参拝時も同様です。

さい銭を入れたら、心の中で自分の名前と住所を名乗ります。それから、前年の感謝を述べて、その後、『今年もぜひ、何事もないようにお願いいたします』といった感じでお願い事をしましょう。まず感謝というのが大事です。

そのほか、お守りや破魔矢、お札は前年のものは初詣のときに持って行き、納札所にお戻ししましょう。そして、新年用に新しいお守りや破魔矢、お札を入手します。前年のものをずっと持っている人もいますが、神様が1年間守ってくれたのですから、おたき上げ(どんど焼きなどとも)で焼き上げてもらいましょう」

Q.アンケートの結果、初詣に行く人が51.2%、行かない人が48.9%でした。この結果をどう思われますか。

椿さん「『行く』人が意外と多い感じがしました。新型コロナの影響を考える人が多いと思いましたので。また、私たちが子どもの頃は親に連れられて初詣に行って、自分が大人になったら、自分の子どもを連れて、と受け継いでいったものですが、最近はどうかなと思っていました。この数字を見ると、ある程度、初詣の伝統が受け継がれているようで、ほっとしています」

Q.さい銭の額は「100円以下」の人が66.6%、「101円~1000円」が25.2%といった結果でした。さい銭の適正な額というのはあるのでしょうか。

椿さん「『さい銭の適正な額』は特にありません。お寺でも神社でも『お心だけでけっこうです』とよく言われますが、その通りです。おさい銭には、入れたときの音で、神様に気付いていただく意味もあります。『私が参拝に来ました』と呼び掛けるのです。そのため、さい銭は小銭の方がよく、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉を取り交ぜて入れる人もいます。

前の年にいいことがあって、特に感謝したいという人は小銭と一緒にお札を入れるといいでしょう。また、500円玉を複数入れるという方法もあります。神様はお金を欲しいわけではありません。音で気付いてもらうということが大事なのです」

Q.初詣の時期については。

椿さん「やはり、新年が明けてからお参りしましょう。元日や三が日にこだわる必要はありませんが、年神様がいらっしゃる1月7日までの参拝が望ましいです。混雑を避けたいという人は小正月の1月15日まででもいいと思います。神様や仏様は優しく、おおらかですから、無理はおっしゃらないでしょう」

Q.喪中の人は初詣に行ってもいいのでしょうか。

椿さん「日本の風習として、喪中は1年間どこも出てはいけないというのが原則です。少なくとも、神社への初詣は避けた方がよいです。ただ、お寺は仏事でも訪れるでしょうし、問題ありません。『喪中だけど、どうしても初詣がしたい』という人はお寺に行くとよいでしょう」

Q.アンケートで「何をお祈り、または感謝しますか」を自由に書いてもらったところ、「家族の健康」「家族の幸せ」「昨年の感謝、お礼」「コロナ収束」「世界平和」といった回答がありました。

椿さん「皆さん、立派なご祈願だと思います。私もそうしたことを感謝し、お祈りしたいです。寒い時季ではありますが、初詣は前年のご加護に感謝し、新年のお祈りをする大事な行事です。感染防止や体調管理に気を付けつつ、参拝すれば、きっとよい一年になると思います」

※この記事はオトナンサーとYahoo!ニュースによる共同企画で、Yahoo!ニュースが実施したアンケートの結果を活用しています。アンケートは12月3~4日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、2000人から有効回答を得ました。年代は30代21%、40代34%、50代24%が多く、男女比はほぼ6対4。職業は会社員45%が最多で、専業主婦(主夫)11%、自営業・フリーランス11%などでした。
※アンケートのパーセンテージは小数点第2位を四捨五入しており、合計が100%にならない場合があります。

(オトナンサー編集部)

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椿武愛子(つばき・むつこ)

日本礼法家元、令和椿和文化協会会長、ビジネスマナーコンサルタント

北海道釧路市出身。戸板女子短期大学生活科卒業。結婚後、国内における東西のマナーや風習の違いを肌で体感し、主婦の傍ら、作法・和・洋テーブルマナーを学び、日本礼法会教授資格を取得。1988年から、札幌でイベント企画を手掛け、自らも司会やマナー講師として活動。現在、椿武愛子オフィス代表として各種マナー講習会や講演、企業向け接客マナー研修に携わりながら、多様な和文化を伝えていく活動を行っている。令和椿和文化協会(https://www.tsubakimutsuko.jp/wabunka/)。

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