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冬の味覚! サツマイモを食べると「おなら」が出やすくなるって、本当?

さまざまな調理法で楽しめるサツマイモですが、食べるときに「おなら」を気にする人も多くいます。サツマイモを食べると本当に、おならが出やすくなるのでしょうか。

サツマイモがおいしい季節に
サツマイモがおいしい季節に

 サツマイモがおいしい季節になりました。焼き芋やスイートポテト、煮物料理などさまざまな楽しみ方ができる野菜ですが、サツマイモを食べるときに気になることといえば、「おなら」です。

「焼き芋が大好物だけど、食べ過ぎるとおならが心配」「おならが出るのが嫌だから、サツマイモは何となく敬遠しがち」という声もある中、「おならが出やすくなるのは本当?」「どのくらい食べると出やすくなるんだろう」「おならが出にくくなる食べ方があれば知りたい」など、サツマイモとおならの因果関係に疑問を持つ人もいます。

 サツマイモを食べると、おならが出やすくなるのは本当でしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

おならのもとは二酸化炭素

Q.そもそも、サツマイモとはどんな野菜ですか。

岸さん「サツマイモの主成分は炭水化物です。炭水化物はエネルギー源になる糖質と、消化吸収されない食物繊維に分けられます。さらに、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、サツマイモには『水溶性1:不溶性2』という理想に近いバランスで含まれています。その他にも、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富なのが特徴で、特に、抗酸化作用のあるビタミンCや血圧を下げる効果のあるカリウムが含まれています。

加熱に弱いビタミンCもデンプンによって守られており、ほとんど分解されずに残るという特徴もあります。また、サツマイモを切ると出てくる白い液は『ヤラピン』といい、腸のぜん動運動を促進させてくれます。サツマイモの甘味は『β−アミラーゼ』という酵素が、加熱されて、糊化(こか)したデンプンに作用して、『麦芽糖』という甘味成分を生成することによるものです。

このβ−アミラーゼが活発に働く70〜80度をキープしながら、じっくり加熱できる『石焼き芋』にするのが、サツマイモを最も甘く食べられる調理法です。旬は晩秋です。収穫時期は8〜11月ごろと幅がありますが、収穫してから2〜3カ月ほど、冷暗所で保管してから出荷された、10~1月ごろに出回るサツマイモは特においしく食べられます。食感もホクホク系やねっとり系などの種類があるため、好みのものを選ぶ楽しみもある野菜です」

Q.サツマイモを食べると、おならが出やすくなるのは事実ですか。

岸さん「事実です。サツマイモに多く含まれる食物繊維が腸の中で分解され、腸内細菌に代謝される過程で、二酸化炭素などのガスが発生します。これがおならのもとです。また、食物繊維は消化・吸収されにくいため、他の食品と比較すると腸の運動が多くなることも、サツマイモを食べるとガスが発生しやすくなる要因と考えられます。

おならの出やすさは食事量や腸内環境などの体質・体調にもよるので、個人差がありますし、サツマイモを食べることで食物繊維を取る限り、おならを防ぐことは難しいでしょう」

Q.サツマイモを食べることで、おならのにおいには何らかの影響が出るのでしょうか。

岸さん「食物繊維を分解するときに発生するガスは二酸化炭素がほとんどです。そのため、サツマイモを食べたときに出るおならは、においのもとであるアンモニアがほとんど含まれず、臭くないといわれています。臭いおならの原因は腸内の悪玉菌が分解したときのガスなので、もし臭いと感じたら、タンパク質や脂質の取り過ぎ、便秘、ストレス、不規則な生活などによって腸内環境が乱れ、悪玉菌が増えているのかもしれません」

Q.サツマイモ以外の食材についてはどうでしょうか。

岸さん「サツマイモ以外のイモ類をはじめ、豆類、ゴボウやキャベツなどの野菜、バナナ、キノコ、ひじき、こんにゃくといった食物繊維を多く含む食材も同じように、おならが出やすくなるといえます」

Q.「おならが気になるけど、サツマイモが食べたい」という人は多いようです。サツマイモを食べたときのおならを防ぐのは難しいとのことですが、何か方法はないのでしょうか。「皮ごと食べるとおならを防げる」という方法も知られているようです。

岸さん「『皮ごと食べる』という方法は過信しない方がよさそうです。サツマイモの皮の近くに含まれるヤラピンはサツマイモの消化を助け、便を軟らかくする効果が期待されています。しかし、全て消化してくれるわけではなく、おならの原因を減らすとは考えにくいですし、皮付近に多く含まれる食物繊維もおならのもとになってしまうからです。

ただ、皮ごと食べると、便秘改善の効果がある食物繊維やヤラピン、そして、抗酸化作用のあるポリフェノールをたっぷり取ることができるので、おならは防げないとしても皮まで食べること自体はおすすめします。また、サツマイモをよくかんで食べると唾液の分泌が活発化し、唾液中の消化酵素が消化を助けるので、多少はおならを防げるかもしれません。

早食いは空気をたくさん飲み込んでしまい、これもおならのもととなるためNGです。よくかんで、ゆっくりと食べるよう意識するとよいでしょう」

Q.その他、サツマイモを食べるときに覚えておくとよいポイントとは。

岸さん「サツマイモの選び方としては、皮の色が均一で色が濃く、鮮やかなもの、そして、つやがあり、表皮に凸凹や傷、斑点がないものを選びましょう。毎日食べるのであれば、小さめのものなら、1本、重さにすると100〜200グラム程度が目安です。サツマイモの栄養価は高いですが、一方でカロリーや糖質が高いので、おならが出やすいことを除いても食べ過ぎには注意する必要があります。

また、先述の通り、サツマイモは70〜80度で加熱することで甘味が際立ちます。電子レンジなら、できるだけ低いワット数で加熱、オーブンではアルミホイルで包んで加熱するなど『低温でじっくり』を心掛けましょう。料理で使う際も、薄く切るよりも厚切りの方が甘みを感じられます。今が旬のサツマイモをおいしく楽しみましょう」

(オトナンサー編集部)

【写真】他にもある!  食べるとおならが出やすくなる食材

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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