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イブの大勝負! 「陸王」が“下町ロケット”パターンで視聴率20%超え狙う

12月24日に最終回を迎えるドラマ「陸王」。これまで視聴率好調をキープし「クライマックスは20%超えか」との声も聞かれますが、そのカギとなりそうなのが「下町ロケット」と同様の戦略である、と筆者は見ています。

「陸王」は視聴率20%超で有終の美を飾れるか(写真はイメージ)

 12月24日にドラマ「陸王」(TBS系)が最終回を迎えます。同作は「世界の果てまでイッテQ!2時間スペシャル」(日本テレビ系)、プロ野球「日本シリーズ」(フジテレビ系)、映画「シン・ゴジラ」(テレビ朝日系)、「M-1グランプリ2017」(テレビ朝日系)などの強力番組をぶつけられながら、今期の新作ドラマでトップの視聴率を記録。初回から9話まで14~18%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の間を推移してきましたが、「クライマックスの最終回は20%を超えるのではないか」と言われています。

 クリスマスイブの24日に放送される最終回は、25分拡大版。さらに、放送直前の19時から「超緊急特別ドラマ企画 陸王~最終章~」と題して、これまでの名シーンをまとめたダイジェストのほか、新たに撮影したスピンオフを加えた直前特番を急きょ放送することになりました。

 このパターンは、2年前に当作と同じプロデューサー・伊與田英徳、演出・福澤克雄、脚本家・八津弘幸のトリオが手がけた「下町ロケット」と一致。同作の最終回は、前話から4.1%アップの視聴率22.3%を記録したため、その再現を狙っているのです。

最終回前にダイジェスト版を2度放送

 直前特番は、「新たな視聴者を獲得できるかもしれない」というメリットがある半面、テレビ局にとっては禁じ手とも言えるもの。その理由は、「番宣番組をゴールデンタイムの特番で放送していいのか?」「ダイジェスト版は言わば再放送であり、制作の放棄とみなされないか?」「引いては視聴者をバカにしていることにならないか?」という懸念があるからです。

 実際、民放各局は土日の午後にドラマの再放送やダイジェスト版を放送して、新たな視聴者を獲得しようとしていますが、それらを夜のゴールデンタイムに放送することはありません。やはり「下町ロケット」と「陸王」は異例であり、批判覚悟の策であることがわかります。

 しかし、TBSは「新撮影のスピンオフを入れる」という工夫を盾に強気のスタンス。19時からだけでなく、同日14時からも「今夜、ついに最終回!『陸王』が皆んなの未来を救う!『陸王』SPダイジェスト!」を放送するのです。つまり、昼と夜にダイジェスト版を2度放送してから、ようやく最終回が始めるということ。ファンにとっては「『陸王』に一日どっぶり浸かれる」一方、まだ見たことがない人にとっては「なりふり構わず盛り上げようとしすぎて引いてしまう」という人も少なくないでしょう。事実「下町ロケット」の直前特番は視聴率10.7%にとどまり、新たな視聴者はあまり獲得できませんでした。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「新・週刊フジテレビ批評」「TBSレビュー」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。