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ガンダムに学ぶ責任のバトンタッチ? 成功すれば、アナタは輝き続ける!

近著に「できる30代は、『これ』しかやらない」がある人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに、ビジネスパーソンの仕事力アップについて聞きました。

責任の「バトンタッチ」が成功のカギに?
責任の「バトンタッチ」が成功のカギに?

 30代は人生の分岐点と言われています。大きな仕事やチャンスをつかみ、自分で人生を動かす「輝くリーダー」へと変貌する人がいる一方、簡単な仕事しか与えられず、スキルも身に付かず、「永遠の作業員」で40代を迎える人もいるからです。ひと皮むけて羽ばたく人、幼虫のまま、くすぶって終わる人は何が違うのでしょうか。

 その差は「能力」ではなく、「働き方」の違いでしかありません。今回は人事・戦略コンサルタントの松本利明さんに、ビジネスパーソンの仕事力アップについて伺います。近著に「できる30代は、『これ』しかやらない」(PHP研究所)があります。

ピンチの後にチャンスは来ない

 あなたが逆境に追い込まれたとします。「会社が倒産しそう」という緊急事態を乗り越えることは難しくはありません。誰もがやらずにはいられないので、全員一丸となり頑張れるからです。難しいのは、平時における緊急事態です。つまり、あなたが追い込まれている状況のことです。これを乗り越えることは簡単ではありません。

 このようなとき、努力でカバーすることは得策ではないと松本さんは言います。自分を信じてストレッチな目標を立てて、自らを奮い立たせても、うまくいかなければ、かえってショックを受けることになりかねません。さらに「うまくいかない」→「失敗」を積み重ねることで周囲の信頼を失うリスクも高くなります。

 松本さんは、このようなときほど、他人の力をうまく利用すべきだと言います。できる人材は他力を巻き込み、バトンタッチをしていると。

「他力を活用した方が早く、逆境から復活できます。自分と同じくらいか、より高い人と一緒に動くのです。『機動戦士ガンダム』が好きな人なら、一年戦争のエピソードで登場する『黒い三連星』による攻撃フォーメーション“ジェットストリームアタック”を思い浮かべてもらえると分かりやすいと思います」(松本さん)

 これは、同じモビルスーツのドム3体が組んで攻撃をすることで、1体で戦うよりも多くの成果を得ることができる戦い方です。仕事に置き換えるなら、3人でチームを組み、リスクも労力も分散しつつ、成果を求める戦法になります。そして、この戦法でも乗り切れないときには「シャア」になりきるべきだと松本さんは解説します。

 アムロのライバルであるシャアは敵方のエースパイロットですが、最後まで戦うことは少なく、局面を見切るのが早く、劣勢と見るや誰かに役目をバトンタッチし、早々と撤収していきます。仕事であれば、誰かにバトンを渡して、すぐにそこから抜け出せばいいのです。確かに、優秀な人ほどこのスキルが高いことは間違いありません。

早期撤収し、力を温存せよ

 筆者が、とあるコンサルタント会社に勤務していたときのことです。当時、私が主担として
進めていたプロジェクトがありました。簡単に言えば、ピアノの販路開拓プロジェクトです。日本のピアノ市場はヤマハとカワイで9割のシェアを占めています。

 しかし、日本には多くのピアノメーカーがあり、独自の製品を作っていました。それらのピアノメーカーを集めた「ピアノ組合」の製品を世間に広めようとしたのです。

 とはいえ、この販路開拓はそう簡単なことではありません。想定された販売チャネルの、ホームセンター、通信販売、音楽大学等での実演販売、百貨店などは全滅。上司からは「時間をかけないように」との終了指示が出されました。

 その後、数日、頭を空っぽにして、なんとか別の可能性がないものか検討していました。そして、1つの可能性が浮かび上がります。それはショールーム販売でした。当時、ピアノを置くことができるショールームを所有している企業は日本に1カ所しかありません。数年前に経営権を巡る父娘の騒動で有名になった家具メーカーです。

 早速、電話をしたところ、幸運にもすぐに社長と面会することができ、特異な「ピアノ組合」の商品に興味を持っていただけました。しかし、最終報告会を前に筆者はプロジェクトから外されます。これはコンサル界隈ではよくある話です。そのため、さほど気にしていませんでした。

 問題はこの後です。最終的にプロジェクトは頓挫してしまいました。ショールームに置くピアノを巡って調整がうまくいかなかったことが原因です。しかし、なぜか、頓挫した責任は筆者に押し付けられることになります。「君はトラブルを引き起こして投げ出したそうだな」。社長に呼び出され、詰問を受けて、強引に謝罪文を書かされました。

 1週間後、筆者は新規開拓専門部署に異動になります。自主退職を迫るために存在する、今で言う「追い出し部屋」です。筆者は、どうすればこのような事態に陥らなかったのか検証しました。考え抜いた挙げ句、「上司の明確な言質を記録に残すべきだった」という自分なりの結論を出しました。そして、退職を決意します。

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員/議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て現職。障害者支援団体のアスカ王国を運営。複数のニュースサイトに投稿。18冊目「伝わる!バズる!稼ぐ!文章術」(秀和システム)発売。プロフの詳細はWikipediaを参照(http://w.wiki/at5)。

筆者への連絡先
bito@askap.net
TW:@k_bito

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