オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「まぶた」が一重の人、二重の人は何が違う? “左右非対称”になる理由は?

左右とも「一重まぶた」、あるいは「二重まぶた」である人が一般的ですが、中には、片方が一重、片方が二重という人がいます。なぜ、左右で異なるのでしょうか。

まぶたを気にする人は多い
まぶたを気にする人は多い

 世の中には「一重まぶた」であることに悩んでいる人がいます。左右とも一重で悩む人もいれば、片方が「二重まぶた」、片方が一重まぶたで、両目のバランスが悪いことに悩んでいる人もいます。一般的なのは左右とも一重まぶた、あるいは左右とも二重まぶたの人ですが、なぜ、片方が一重、片方が二重という人がいるのでしょうか。形成外科医の室孝明さんに聞きました。

まぶたの幅やバランスは変えにくい

Q.世の中には、一重まぶたの人や二重まぶたの人がいます。一重であるのか、二重であるのかの違いは生まれつきなのでしょうか。あるいは、日常生活の中の何らかの要因で決まるものなのでしょうか。

室さん「一重まぶたか、二重まぶたかの違いは生まれつきです。基本的に、目を見開くときに動く眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉が皮膚の一部分(二重のライン)にくっついているので、目を開くに伴い二重のラインが入ります。西洋人と比べて、日本人を含めた東洋人は生まれつき、皮膚の厚い一重まぶたの人が多いのが特徴です。

加齢によって、一重まぶたになったり、二重まぶたになったりすることもありますが、その原因も皮膚のたるみによって、筋肉の引き込みより、たるみによる抵抗が強いことが原因です」

Q.一般的には、一重まぶたであることに悩んでいる人が多いように思います。特に若い女性が多いようですが、なぜ、一重まぶたを嫌がる人がいるのでしょうか。

室さん「二重まぶたは目元の彫りを深く見せる効果があるので、彫りの浅いタイプが多い日本人を含む東アジア人は潜在的に、二重に憧れるのかもしれません。もちろん、一重で美しい人はいますが、どちらかというと『個性的で美しい』と表現されることが多いように思います。

一重まぶたよりも二重まぶたの方が目の印象を大きく見せて、小顔効果が得られること、また、二重まぶたの幅があると、化粧映えすることも理由だと思われます」

Q.片方が二重まぶた、片方が一重まぶたで、両目のバランスが悪いことに悩んでいる人もいます。なぜ、それぞれのまぶたが一重と二重だとバランスが悪くなるのでしょうか。

室さん「片方だけ皮膚が厚い、眼瞼挙筋の皮膚にくっついている箇所が弱いなど、生まれつきの要素が強く、理由はさまざまです。目は一対で顔の正面にあるので、容易に左右のバランスを比較することができます。

片方が二重まぶた、もう片方が一重まぶたという『左右非対称』の状態より、左右がそろっている『左右対称』の状態を人間は本能的に好むため、一重と二重だとバランスが悪いと思ってしまうのです」

Q.日常生活の習慣を変えるなど、医療的行為以外で、バランスの悪さを改善する方法はあるのでしょうか。あるいは、医療的行為でしか改善する方法はないのでしょうか。

室さん「残念ながら、生活習慣の改善などで、二重まぶたの幅やバランスを変えることはできません。のりで接着するなどの方法で、一時的に二重まぶたにすることは可能ですが、先述したように、根本的なまぶたと、二重まぶたのできる仕組みから、のりで二重まぶたが固定されるはずがないことを分かってもらえると思います。

ただ、加齢に伴って、まぶたの脂肪が減ったり、まぶたの皮膚がたるんだりすることで、以前はなかった二重のラインが現れたり、三重や四重のラインになったりすることはあり得ます。また、医療的行為でバランスの悪さを改善するためには、簡単な方法として、糸でまぶたに二重ラインを作る『埋没法』があります。

ほとんどの場合、この方法で解決しますが、皮膚のたるみが多かったり、皮膚に厚みがあったりする場合は『全切開法』という、二重ラインに切開を入れて、二重まぶたを形成する方法があります」

(オトナンサー編集部)

室孝明(むろ・たかあき)

医師(形成外科医)

ビスポーククリニック院長。事故で鼻を失った子どもの鼻を形成外科医が再建するドキュメンタリー番組を見たことを契機に形成外科医を目指す。2002年、埼玉医科大学卒業後、鼻の再建外科を学ぶため、東邦大学形成外科に入局。関連病院を歴任し、顔面再建外科のほか、乳房再建外科、マイクロサージャリー、手の外科を学ぶ。2011年、ヴェリテクリニック入職。同クリニック分院長として東京と福岡で診療を行う。2017年、ビスポーククリニック開院。目元、鼻、アンチエイジングの治療を3本の柱として、充実した医療設備の中、最適な医療技術を提供している。医院公式サイト(https://bespoke-clinic.jp/)。

コメント