オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

冬に多い「低温やけど」、深刻に考えなくていい? 原因・症状・対処法を解説

湯たんぽやカイロ、こたつなどで「低温やけど」をすることがありますが、低温でのやけどであるため、軽く考える人も多いようです。深刻に考えなくてもいいのでしょうか。

低温やけど、深刻に考えるべき?
低温やけど、深刻に考えるべき?

 12月も半ばに入り、寒さが厳しさを増しています。寒さをしのぐためにこれからの時季、カイロやホットカーペットなどを使う機会も増えてきますが、注意したいのが「低温やけど」です。しかし、読んで字のごとく、「低い温度でのやけど」であるため、低温やけどをしても「大したことではない」と楽観的に考える人も多いのではないでしょうか。

 一方で、ネット上などには「普通のやけどよりも深刻に考えた方がいい」といった声もあります。低温やけどは大したことないのでしょうか。あるいは深刻に考えた方がよいのでしょうか。形成外科医の室孝明さんに聞きました。

湯たんぽやカイロの長時間使用で

Q.まず、低温やけどの原因と症状について教えてください。

室さん「低温やけどは、44~50度程度の温度のものに体が長時間接触することで起きるやけどです。短時間の接触では通常、やけどを起こすことがない温度ですが、例えば、湯たんぽやカイロ、こたつ、電気毛布、電気あんかの長時間の使用で起きることがあります。

初期の症状は程度によってさまざまで、やけどをした部分の皮膚が赤くなる▽痛みを感じる▽水疱(すいほう)ができる――など、一般的にイメージするやけどの症状が起きることもあれば、皮膚の表面の質感が白っぽく変化して、痛みがほとんどないものまであります」

Q.低温やけどの特徴を教えてください。

室さん「低温やけどは皮膚の深いところまでダメージを受ける一方で、あまり痛みがないことが多いのが特徴です。表皮(皮膚の表面)の下の層である皮下組織に達するほどの熱損傷が起こった場合、時間がたつにつれて、やけどをした部位が黒色や茶褐色などに変色してきます。細菌感染を起こす場合もあります。治るまでにはかなり時間がかかり、手術が必要となることもあります」

Q.低温やけどは普通のやけどよりも、一般的に症状は軽いのでしょうか。それとも、重い症状が出る場合もあるのでしょうか。

室さん「やけどの程度は軽症の1度から、重症の3度まで分類されます。低温やけどはじっくりと皮膚の深いところまで、熱による損傷が起こっている場合がほとんどなので、2度の深いやけどや重症の3度に分類されることが多くなります。そのため、通常のやけどよりも低温やけどの方が深刻であるといえます」

Q.低温やけどになりやすい体の部分はどこでしょうか。

室さん「皮膚が薄いところや骨に近いところは比較的、低温やけどになりやすいといえます。一般的には、すねや足首、くるぶし、かかとなどの足に低温やけどを負う人が多い印象がありますが、基本的には体のどの部分でも起こり得ます」

Q.低温やけどになりやすい人はいるのでしょうか。いる場合、どのような人でしょうか。

室さん「新生児や高齢者、糖尿病などで末梢(まっしょう)神経障害のある人はハイリスクです。また、疲労や睡眠薬の内服により熟睡している人、泥酔者なども可能性が高くなります」

Q.低温やけどになった場合、家庭ではどのような処置をすればよいでしょうか。医療機関を受診するかしないかの基準は何でしょうか。

室さん「流水で患部を30分ほど冷却し、清潔なガーゼなどで覆います。患部が衣類で覆われている場合は、衣類の上から流水をかけ、衣類は脱がずにおきます。冷却後、速やかに医療機関を受診してください。

低温やけどは痛みが少ないため、軽く見られがちで、症状がひどくなってから来院する患者さんが多いことが特徴です。少し赤くなったり、少し痛みがあったりする程度であっても、無症状でなければ病院に行くべきだと思います」

Q.低温やけどにならないために注意すべきことを教えてください。

室さん「就寝時に温め過ぎた湯たんぽやカイロを使わず、電気毛布や電気あんかなどの暖房器具は寝る前だけ使用して、就寝時は電源を切ることです。そして、一番の予防法は湯たんぽやカイロ、電気毛布、電気あんかを使用すると、低温やけどになる可能性があることを思い出すことではないでしょうか」

(オトナンサー編集部)

室孝明(むろ・たかあき)

医師(形成外科医)

ビスポーククリニック院長。事故で鼻を失った子どもの鼻を形成外科医が再建するドキュメンタリー番組を見たことを契機に形成外科医を目指す。2002年、埼玉医科大学卒業後、鼻の再建外科を学ぶため、東邦大学形成外科に入局。関連病院を歴任し、顔面再建外科のほか、乳房再建外科、マイクロサージャリー、手の外科を学ぶ。2011年、ヴェリテクリニック入職。同クリニック分院長として東京と福岡で診療を行う。2017年、ビスポーククリニック開院。目元、鼻、アンチエイジングの治療を3本の柱として、充実した医療設備の中、最適な医療技術を提供している。ブログ(https://ameblo.jp/pras-murology/)。

コメント