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顔が老けて見える「ゴルゴ線」 出てきたらどう対処したらよい? 

漫画「ゴルゴ13」の主人公の特徴的な目頭の下の線が、実際に顔に現れることがあり、「ゴルゴ線」と呼ばれています。老けたように見えるため、女性は嫌がるようですが、「ゴルゴ線」が出てきた場合、どう対処すればよいのでしょうか。

「ゴルゴ13」ことデューク東郷(2013年11月、時事)
「ゴルゴ13」ことデューク東郷(2013年11月、時事)

 ある日、鏡で顔を見たとき、目頭の下から頬の中央部分に、斜めに伸びる線を見つけたことはないでしょうか。この線が、漫画「ゴルゴ13」の主人公に描かれている特徴的な目頭の下の線と似ていることから、「ゴルゴ線」と呼ばれることがあります。しかし、ゴルゴ線があることで、顔の表情が老けたように見えるため、女性からは“好まれざる線”とされているようです。顔に「ゴルゴ線」が出てきたら、どのように対処すればよいのでしょうか。形成外科医の室孝明さんに聞きました。

性別に関係なく可能性あり

Q.なぜ、顔の目頭の下に「ゴルゴ線」ができるのですか。

室さん「『ゴルゴ線』という言葉は、正式な名称ではありません。正式には、『ミッドチークライン』と呼び、目の下や中顔面(眉毛の下から鼻の下までのこと)に認められるへこみやしわを指しています。

いわゆる『ゴルゴ線』ができる部位には、顔面の皮膚と皮下組織を支えている靭帯(じんたい)があります。通常はしっかりと支えられていますが、加齢とともに顔面の皮膚と皮下組織のボリュームがなくなり、垂れ下がった結果、この靭帯の付着部がへこみとして認識できるようになります。それが『ゴルゴ線』ができたという状態です」

Q.どれくらいの年齢になったときに、ゴルゴ線は生じやすいのですか。性別に関係なくできるものでしょうか。

室さん「先述したように、基本的には加齢によって生じますが、具体的にどの年齢になると生じやすいのかというのは、一概には言えません。つまり、個人差が大きいので『ゴルゴ線』のできる年齢の目安は、はっきりしないのです。

中には、子どもでもうっすらと『ゴルゴ線』が生じていると分かることもありますし、逆に、年を取っても目立たない人もいます。性別は関係ありません」

Q.できやすいのは、どのような人ですか。

室さん「もともと、顔の皮下脂肪が少ない人や、中顔面がくぼんでいる人は、『ゴルゴ線』が目立ちやすい傾向があります。30代後半から40代くらいの女性の中には、『ゴルゴ線』ができたことを気にする人がいるようですが、加齢だけではなく、顔面の皮下脂肪の量など、それぞれの顔の特徴も関係しているのではないでしょうか」

Q.できてしまったゴルゴ線を改善する方法はあるのですか。ある場合、どのように対処すればよいですか。

室さん「原因が、顔のへこみによるものであれば、足りないボリュームを補うためヒアルロン酸を注入したり、脂肪注入を行ったりすることで、改善できます。顔のたるみが主因であれば、糸を使ったリフト治療なども併用すると、良い結果になります」

Q.ゴルゴ線を予防するために、行った方がよいことは何ですか。

室さん「皮膚や皮下組織にダメージを与えるような行動を避けることが大切です。たばこを吸う人や、紫外線の防御をしない人は現れやすくなるでしょう。顔を強くマッサージすることも、原因になり得るかもしれません」

(オトナンサー編集部)

室孝明(むろ・たかあき)

医師(形成外科医)

ビスポーククリニック院長。事故で鼻を失った子どもの鼻を形成外科医が再建するドキュメンタリー番組を見たことを契機に形成外科医を目指す。2002年、埼玉医科大学卒業後、鼻の再建外科を学ぶため、東邦大学形成外科に入局。関連病院を歴任し、顔面再建外科のほか、乳房再建外科、マイクロサージャリー、手の外科を学ぶ。2011年、ヴェリテクリニック入職。同クリニック分院長として東京と福岡で診療を行う。2017年、ビスポーククリニック開院。目元、鼻、アンチエイジングの治療を3本の柱として、充実した医療設備の中、最適な医療技術を提供している。医院公式サイト(https://bespoke-clinic.jp/)。

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