「懲役」との違いは? 「禁錮」とはどのような生活を送ることなのか
刑務作業を望む人多い
Q.読書や新聞購読が苦手な人は何もしないことで、かえって、つらくなることもあるのではないでしょうか。
佐藤さん「禁錮の場合、日中、監視を受けながら何もすることがなく過ごすことになり、精神的苦痛が大きいと言われています。そのため、禁錮受刑者の多くは『刑務作業を行いたい』と自ら申し出ています(請願作業)。
申し出があると、刑事施設長は原則、作業を行うことを許可します(刑事収容施設法93条、同法規則56条)。作業を行うことを許可された者がその後、作業を行わないことを希望する場合、2週間前までに申し出ることになっています(同法規則56条2項)」
Q.禁錮の実際の生活はどのようなものですか。元大臣など世間的には特別な存在の人の場合、部屋が広いなど、他の受刑者と違う扱いになることはあるのでしょうか。
佐藤さん「刑事収容施設ごとに起床時間、就寝時間、食事の時間などは異なりますが、次のような流れが一般的かと思います。
朝6時半ごろ起床し、人員点検や清掃などを行い、7時ごろには朝食、その後、刑務作業を許された禁錮受刑者は作業を行い、正午ごろに昼食をとります。休憩時間を挟みながら、午後4時半過ぎに作業が終わり、身体検査等を行います。午後5時ごろには夕食、その後自由時間となり、午後9時ごろ就寝となります。
元大臣など世間的に特別な存在だからという理由で優遇されるわけではありません。ただ、受刑者は改善更生の意欲や社会生活に適応する能力の程度に応じて、第1種から第4種までの『制限区分』に指定され、それに応じて、設備や処遇方法が決められる仕組みになっています。
また、受刑態度を評価して、第1類から第5類までの『優遇区分』に指定し、優遇区分に応じて面会の回数を増加させたり、自分の費用で購入できる物の範囲を広げたりする制度もあります。こうした制限区分や優遇区分によって待遇が決まります」
Q.退屈に耐えかねて、暴れたり、刑務官に暴言を吐いたりするとどうなるのでしょうか。
佐藤さん「暴れたり、暴言を吐いたりすることは刑事施設の職員の職務の執行を妨げる行為に当たる可能性があり、合理的に必要と判断される限度で刑務官によって制止されたり、拘束されたりします(刑事収容施設法77条)。
また、こうした問題行動は順守事項違反に当たり、懲罰が科されることがあります(同150条)。懲罰の内容によっては、一定期間、自分の費用で購入した物品の使用が認められなくなったり、書籍の閲覧が制限されたりすることもあります(同151条)」
Q.高齢で禁錮生活の継続が難しくなった場合、どのような処遇になるのでしょうか。
佐藤さん「高齢受刑者は増えており、介護が必要な受刑者も少なくありません。そのような場合も、刑事収容施設での生活を継続する運用がなされています。具体的にどうするかというと、若い受刑者の刑務作業として、着替えやおむつ交換の介助をさせたり、ペースト状の食事を用意したりして対応するのです。
刑事施設においては、受刑者の心身の状況を把握することに努め、健康保持のため、社会一般の水準の医療を受けられることになっています(同56条)。病気の疑いがあったり、飲食物を摂取できず生命に危険が及んだりする場合は、速やかに刑事施設の職員である医師による診療を行い、医療上の措置をとり、刑事施設外の病院に入院させるのは、やむを得ない場合に限られます(同62条)」
(オトナンサー編集部)

人権人権
犯罪者を裁くとき、常に出てくる言葉だが、他人の人権を侵害、ましてや奪った者に自らの人権を主張する権利があってよいのか。
それが法だというのなら、法とはなんだ?社会の基盤だ?そんな次元の話じゃない。
法とはそもそも誰の為に存在するのか。今一度考えてもらいたいものだ。