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五輪危機! コロナ、いじめ自慢、ナチス…汚物にまみれた五輪の意義とは

五輪のラスボスは何か

 米紙ワシントン・ポスト電子版は7月17日、開幕を控えた東京五輪について、これまでのところ、「完全な失敗に見える」と指摘し、1964年の東京五輪のように、日本に誇りをもたらすことは期待できないと伝えます。さらに、新型コロナウイルス流行が影響し、国民に懐疑論が高まり、五輪への熱気は敵意に変わっていると報じます。

 17日、韓国メディアがトライアスロンやオープンウオータースイミングが行われる会場を「汚物のにおい」と批判、大手情報サービスbloombergでは「五輪会場となる東京湾の水質問題、悪臭への不安残るまま本番入りか」と報道します。

 港区議会議員で東京湾の水質問題に15年以上取り組んできた榎本茂氏の見解として、「大腸菌より強いウイルスや細菌が流入する可能性がある」との懸念を示します。

 さらに、東京五輪の開会式・閉会式のディレクターを務める小林賢太郎氏がお笑いコンビ、ラーメンズ時代の1990年代に舞台で披露したコントで「ユダヤ人大量惨殺ごっこ」というせりふを使っていることが、21日からネット上で問題視されています。

 米ユダヤ人団体SWCは21日(日本時間22日未明)、「東京五輪の開会式のディレクターによる反ユダヤ主義の発言を非難する」との声明を出しました。

 事態を憂慮した組織委員会の判断は早く、22日午前中に橋本会長が解任を発表し、謝罪しました。これを受けて、菅首相が22日午後、記者団の取材に応じ、「言語道断だ」などと述べています。

 エンブレム盗作問題から始まり、小山田圭吾氏の障害者いじめ、小林賢太郎氏のナチス問題、ウガンダ選手の失踪、トライアスロン会場の汚物臭や大会スタッフの性的暴行など、多くの問題が露呈しました。選手村の感染も拡大しています。トラブルが続出する五輪の“ラスボス”は一体何なのか。23日、世界が注目する開会式が行われます。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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