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地上波より面白い? ネットテレビと動画配信サービスの決定的な“違い”とは

若年層を魅了する恋愛リアリティーショー

 その答えはノー。「いつでもどこでも見られる」使いやすさでは劣るものの、いまだ地上波は最も多くの人々に番組を届けられるメディアであることは変わっていません。また、プロデューサーや演出家、構成作家、脚本家、美術、音声、照明などの各職種に優秀なスタッフが多く、現段階ではネットテレビと動画配信サービスの制作力を大きく上回っています。

 ただし、若年層に限っては、その優位性がほとんど機能せず、テレビはネットに大きく遅れを取っているのが現実。年々、視聴率を獲得するために中高年層向け番組を増やす地上波に物足りなさを感じている若年層たちが、ネットテレビと動画配信サービスに集まり始めているのです。

 その象徴が「テラスハウス」(Netflix)「あいのり:Asian Journey」(同)「バチェラー・ジャパン」(Amazonプライム・ビデオ)「今日、好きになりました」(AbemaTV)「恋する?週末ホームステイ」(同)「オオカミくんには騙されない」(同)などの恋愛系リアリティーショー。特に、かつて地上波のフジテレビが放送していた「テラスハウス」と「あいのり」が動画配信サービスで見られていることに時代の流れを感じます。

 若年層は、地上波が求める視聴率やスポンサーこそもたらさないものの、毎月数百円の利用料金を払うことに抵抗はありません。前述した恋愛リアリティーショーは「若年層が少しずつお金を出し合って、私たちの番組を作っている」とも言えるでしょう。

 地上波は視聴率を稼ぐために中高年層の番組に力を入れ、ネットテレビと動画配信サービスはネットを使いこなし、先の長いお客さんになりうる若年層の番組に力を入れています。もしかしたら、地上波とネットテレビや動画配信サービスの違いは、このような視聴ターゲット層なのかもしれません。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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