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学費安い? 「通信制大学」のメリット/デメリット 就職時に差は?

就職・転職で不利にならない?

 通信制の大学ということで、就職や転職のとき不利になる恐れはないのでしょうか。転職コンサルタントの瀧本博史さんに聞きました。

Q.通信制の大学に進学、または通学制の大学から通信制の大学に編入した場合、通学制の大学生に比べて、就職や転職で不利になる恐れはないでしょうか。また、有名大学の通信課程の場合、同じ大学の通学制の学生と評価は違うのでしょうか。

瀧本さん「就職や転職の採用試験において、企業が特定の大学や学部の学生だけを採用したり、通学制の大学生だけを採用したりした場合、その職務の特性上、やむを得ない場合を除き、『就職差別』に当たる可能性が高いため、基本的に通信制(通信課程)の学生が通学制の学生に比べて、低く評価されることはありません。同様に、有名大学の通信課程の学生が同じ大学の通学制の学生と比べて、低く評価されることもありません。

ただし、通信制の大学は通学制の大学に比べて、卒業が難しいといわれており、4年間での卒業率が10%程度という大学もあります。5年以上、大学に在籍している状態で就職活動に臨んだ場合、企業側から留年の理由を聞かれる可能性もあるので、面接官を納得させる回答を用意しておく必要があります」

Q.「通学制の大学生よりも低く評価されることはない」とのことですが、通信制の大学に通う人の中には、就職や転職に不安を感じる人もいると思います。就職や転職を決めるには、日頃から、どのような心構えや対策が求められるのでしょうか。

瀧本さん「就職については、通信制は昼間部の通学制に比べて、OBやOGが少なく、また、通信制の学生の多くは仕事に就きながら学んでいます。そのため、新卒で就活をするには情報が少なくなり、働くためのイメージがつきにくくなってしまうので注意が必要です。

一部には、オンラインを活用した就職支援サービスを行う大学もありますが、基本的に大学が実施する就活支援サービスを受けるには、通信制に在籍していても大学に行く必要があります。通信制の学生の中には、大学から離れた場所に住んでいて通学が難しい人もいるので、そういった人たちは自力での就活を余儀なくされることが多いです。大学の就活支援サービスについて、入学前によく確認しましょう」

Q.「親の収入が少ないので経済的に厳しいが、それでも大学で学びたい」という高校生や「通学制の大学に通っているが、コロナの影響で学費が払えない」という大学生もいると思います。その場合、通信制の大学への進学や編入を視野に入れてもよいのでしょうか。

瀧本さん「先述のように『卒業が難しい』『大学の就職支援サービスを受けにくい』というデメリットもありますが、それでも、通信制の大学への進学や編入を視野に入れることはとてもよいことです。国家資格の試験に対応する科目を開講している大学もあり、資格によっては大学卒業と同様に取得可能なケースもあるので、学費を抑えながら、自分の将来の可能性を高めてくれます。

また、スクーリングが必要なく、オンライン学習でよい大学もあるので、昼間は働きながら、お金をためつつ、自身の学びを深めていくこともできます。転職を考えている人には、今までの学歴を評価してもらえる編入制度や必要な単位だけを修得できる制度などもあるため、自身の教養の幅を広げたり、既に取得している資格のステップアップとして活用したりすることも可能です」

(オトナンサー編集部)

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瀧本博史(たきもと・ひろし)

転職コンサルタント

転職に関する職業相談を行う専門家。産業カウンセラーとして働く人への「心のケア」ができるのと同時に「就職・転職相談の熟練者」である国家資格2級キャリアコンサルティング技能士資格を持ち、ハローワーク職員、自治体の職業相談員、就職指導や職業訓練校講師などの業務に携わり、25年の実績を持つ。「自分らしさ」を大切にした働き方を提案し、新卒から高齢者まで一人一人の方へ「個性」「適性」を尊重した、きめ細やかな提案を実施している。国立大学でのキャリア関連授業の講師や私立大学での就職相談・セミナーに加え、後進のキャリアコンサルタント育成にも携わっている。専門家プロファイル・瀧本博史(https://profile.ne.jp/pf/office-takimoto/)。

長尾真一(ながお・しんいち)

ファイナンシャルプランナー

教育資金、老後資金、万が一に備える保険など、生活に関わるお金の不安を解消し、未来に希望を持って暮らしていくためのお手伝いをする「生活設計のコンシェルジュ」として活動中。Life Design Concierge(http://www.bingo-fp.com)。

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