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ブレイク俳優・高橋一生が再び連ドラ登場 異なる“3役”をどう演じ分けるか

「良い意味で代表作がない」のが強み

 3本目は、1日から放送されている海外ドラマ「THIS IS US 36歳、これから」(NHK、日曜午後11時)。高橋さんは主人公の一人、ケヴィンの日本語吹き替え声優を担当しています。

 同作は誕生日が同じ36歳の男女3人が、人生の壁を乗り越えようともがく姿を描いた物語。高橋さんが演じるケヴィンは「自分が演じる役に嫌気がさしている」イケメン俳優。自身も同じ36歳の俳優だけに「彼の葛藤はとてもよく理解できる」とコメントするなど、役柄にシンクロしているようです。

 さらに高橋さんは「人間の機微がぜんぶ入っているドラマ」と同作を絶賛。海外ドラマの声優初挑戦にも関わらず、高揚、落胆、哀愁などのさまざまな感情を声色の変化だけで演じ分けています。高橋さんが声優を務めた作品と言えば、15歳の時に出演した1995年のアニメ映画「耳をすませば」(スタジオジブリ)。高橋さんはヒロインの相手役・天沢聖司を演じましたが、当時から約21年の時が過ぎて、表現力と色気が増していることに気づかされます。

 自然体のたたずまい、はにかんだ笑顔、低音で落ち着きのある声、含みを感じさせる演技……高橋さんの魅力はたくさんありますが、すべてのベースになっているのは「本人のキャラクターを消し、役柄に入り込む」というスタンス。だから出演作が増えても飽きられにくいし、極めて良い意味で「代表作がない」と言えるのです。

 3作それぞれの相乗効果も期待できるだけに、上半期以上の話題になるかもしれません。少なくとも「2017年は高橋一生の年だった」という評価が盤石のものになるのは間違いないでしょう。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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