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飲食店で「1人の」食事、コロナ感染可能性は低い? リスクを下げるには?

複数人での食事は新型コロナウイルス感染リスクが高まるとされています。では、飲食店で1人で食事をするのであれば、感染する可能性は低いのでしょうか。

1人での食事は感染リスクが低い?
1人での食事は感染リスクが低い?

 複数人で食事をすることで飛沫(ひまつ)が飛び、新型コロナウイルス感染リスクが高まるとされているため、現在、昼夜を含めての会食や飲食店内で食事をすること自体を自粛する雰囲気になっています。確かに、自治体が発表する新型コロナウイルスの感染原因として「会食」がよく挙げられるので、感染が拡大している時期は会食は控えた方がよさそうです。

 では、飲食店で複数人ではなく、1人で食事をするのであれば、感染する可能性は低いのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

2メートルの距離確保を

Q.そもそも、感染対策が十分といえる飲食店とは、具体的にどのような取り組みをしている飲食店のことでしょうか。

市原さん「まず、従業員の健康管理を徹底していることが大切です。体温計測や手洗い、手指の消毒、体調不良の場合には休ませる、などの徹底が挙げられます。

その上で(1)体調不良の客は入店を断る(2)換気をしっかりしている(3)お店の入り口に消毒液を設置して、入店時に客に手指の消毒をしてもらっている(4)客同士の距離を2メートル(最低1メートル)以上確保する(5)パーティションで客同士が仕切られている(6)机や椅子など、客が触れる場所の消毒をしっかりしている(7)店内でのマスク着用(従業員は原則常時、客は食事中以外)を義務付けている――などが挙げられます。

細かいところでいえば、箸などをテーブルにまとめて置かず、個別に用意することや、ソースなど不特定多数の客が触る容器を消毒、もしくは小分けして用意していることも重要です。トイレでの感染リスクもあるので、客が触りそうな箇所を適宜消毒していたり、消毒液を設置していたりすることも大切です」

Q.十分に感染対策をしている飲食店で、1人で食事を取った場合、新型コロナウイルスに感染するリスクは低く、安心だといえるでしょうか。

市原さん「新型コロナウイルス感染症は飛沫感染することが多いです。理想は先述した感染対策をすべて行っていることですが、最低でも、客同士の距離を2メートル(最低1メートル)以上確保していること、パーティションで客同士が仕切られていることなど、他の客との距離を十分に取っていることは必須です。そうしたお店であれば、1人で利用した場合、感染リスクは低いと思います」

Q.1人で飲食店を訪れたとしても、近くの席に複数人の客がいる、あるいは着席後に来店する可能性も考えられます。こうした人が会話をしながら食事した場合、感染リスクになる可能性はあるのでしょうか。

市原さん「1人で飲食店を訪れたとしても、先述したような距離を保つことができずに他の客と近ければ、感染のリスクは高まります。基本的に、食事中の会話は周囲への感染リスクを高めるのでやめるべきですが、1人で来店して着席後、複数人で来店した客が近くの席に座り、食事しながら話をする場面に遭遇することも考えられます。自らもお店側も『食事中は話をしないで』とは言いにくいと思うので、感染リスクを考えると難しいところです。

最近、食事中は一切の話をせずに飲食する『黙食』を呼び掛ける店が注目を集めています。はっきりと『食事中は話をしないで』とうたっている飲食店を選ぶのも一つの方法かもしれません」

Q.1人で飲食店を訪れた場合、どのような席に座れば、周囲からの感染リスクを下げることができるでしょうか。

市原さん「一般的に飲食店の席といえば、カウンター席やテーブル席があると思います。カウンター席であれば、少なくとも感染対策で、両隣の席との距離が十分あること、パーティションで仕切られていることが必要だと思います。テーブル席であれば、両隣のテーブルとの距離が十分あり、1人でテーブルを使えるような飲食店が理想だと思います。パーティションが設置されていないテーブルでの見ず知らずの客との相席は、感染リスクが高まるでしょう。

要するに、他の客との距離がしっかりとれているのであれば、カウンター席でもテーブル席でも感染リスクに大差はないと思います」

Q.現状、どうしても出社しないと仕事ができない人もおり、自宅外で昼食を取らざるを得ません。飲食店での1人での食事にも感染リスクの不安がある場合、現状ではどのような場所で、どのような昼食の取り方が理想なのでしょうか。

市原さん「飲食店を利用すれば、不特定多数の客がいるので、たとえ1人で訪問して感染に気を付けたとしても感染リスクをゼロにできるわけではありません。飲食店での食事に不安がある場合はコンビニ弁当やテークアウト、デリバリーなどを利用し、社内の休憩スペースなどで、他の社員と距離を取り、食事をするしかないでしょう。ただし、その場合でも、食事前の手洗いや手指消毒は忘れずにしっかりと行いましょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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