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上司の関西弁「お前、何しとんねん」「アホか」はパワハラになるのか

もしもパワハラだと感じたら

 それでは、上司の言動がパワハラだと感じられた場合、どのように対処すべきなのでしょうか。

 吉岡さんによると、パワハラの被害者は加害者本人と使用者の両方に対して、不法行為に基づく損害賠償請求が可能です。「この訴訟提起は、人格権侵害行為の差し止め請求ではありませんが事実上、侵害行為を抑止する効果があります」。人格権侵害を止めさせる緊急の必要がある場合、差し止めの仮処分を求めることも可能です。

 また、加害者本人ではなく使用者を相手に「労働審判」を申し立てることもできます。「労働審判は原則3回の期日で終了し、非公開であるため、迅速かつプライバシーに配慮した解決が期待できます」。解決方法としては、使用者が▽名誉棄損発言や暴力をしない▽従業員に対し暴言や暴行、その他の精神的圧迫をさせない雇用管理上必要な配慮を行う▽解決金を支払う――といった柔軟な解決も期待できます。

 さらに、パワハラの様態が刑法に触れるほど重大であれば、暴行や傷害、脅迫、強要、名誉棄損、侮辱などの罪名で刑事告訴することも。法的手段以外では、孤立せずに同僚や先輩、部下に相談し、集団で対応することが有効です。労働局に相談し、労働局から会社に指導してもらうことや、録音などパワハラの証拠を公表することもありえます。

 最後に、パワハラを未然に防ぐ上で大切なことを聞きました。

「普段の人間関係が良好であれば、パワハラとならずに済む場合も多いほか、言葉使いに気を付けていれば、相手への精神的圧迫も弱まります。また、指導の行き過ぎでパワハラになることもあるため、どの業務を行うにあたってどのような指導が必要であったのかを記録しておく必要も。パワハラ相談窓口を設置したり、パワハラの対処法を定めて従業員に周知したりする、などの措置もパワハラ防止に有効でしょう」

(オトナンサー編集部)

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吉岡達弥(よしおか・たつや)

弁護士

東京弁護士会所属。明治大学法学部卒業、立教大学法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。労働問題や独占禁止法、著作権関連、税務訴訟などの企業法務に詳しい。幼少時から実家の米屋を手伝い、事業承継、税金、再開発問題に長年“クライアント側”として関わった経験から、依頼者目線での解決を得意とする。

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