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職場の人間関係が最悪です! 改善させる「NHKの法則」をご存じですか?

近著に「なぜか好かれる人がやっている100の習慣」があるキャリアカウンセラー・講師の藤本梨恵子さんに、良質な人間関係を築くコツを聞きました。

ストレスのない良好な人間関係を築くには?
ストレスのない良好な人間関係を築くには?

 私たちが社会生活を送る上で、人との付き合いを避けることはできません。良質な人間関係を構築するには何が必要でしょうか。人間関係がストレスになりやすい環境においては、立ち居振る舞いやしぐさに気を使うことでストレスが軽減されます。ストレスが軽減されれば関係性は良くなり、仕事もやりやすくなるはずです。

 今回は、キャリアカウンセラー・講師として活動する藤本梨恵子さんに良質な人間関係を築くコツについてうかがいます。近著に「なぜか好かれる人がやっている100の習慣」(明日香出版社)があります。

ビジネスマナーの「NHKの法則」とは

 ビジネスマナーでは、立ち居振る舞いや言葉遣いが重要と言われます。これは「NHKの法則」と言われているものです。藤本さんは次のように解説します。

「『N』はニコニコ、『H』はハキハキ、『K』はキビキビです。ビジネスの世界では時間はお客さまのものです。電話で保留時間が長いとイライラします。待たされるからです。『三鈴(電話のコールが3回鳴ること)は会社の恥』といい、電話を3コール以内に取るルールの会社が多いのは相手を待たせないためです」(藤本さん)

「私は就職支援で面接対策を教えていますが、ドアの閉め方や椅子の座り方が丁寧でも、やたらゆっくりな人がいます。これでは面接官を待たせてしまいます。キビキビした印象を与えられません。なかなか就職できない人には、猫背や足を引きずるように歩くなどの特徴があります。モデルのように歩く必要はありませんが、悪目立ちすると、短時間で判断される面接では命取りになります」

 筆者は人事の専門家として面接を行うことがあります。特に、新卒採用の人事担当者は印象で合否を決める傾向があり、雰囲気や態度が「会社にそぐわない」と思われるとマイナス評価になります。そのため、与える印象に注意しなければいけません。

「ある人事担当者は『面接のとき、歩き方だけでこの人を採用しないと判断することがある』と言います。映画でも、チンピラ役はポケットに手を突っ込んでガニ股で歩きます。一方、紳士は背筋を伸ばして、キビキビ歩きます。歩いたときにさわやかな春風が吹くような歩き方が好印象なのです」

「やや大きめの歩幅で靴音を立てずに歩きます。できるホテルマンは靴の裏にゴムを貼って、歩いても音が出ないようにしています。ダラダラ歩いていると、風を起こせません。風を起こすにはスピードが必要です」

歩き方で性格が分かってしまう事実

 米国のジェシー・S・ニーレンバーグ(産業心理学者、心理学博士)は歩き方から性格を分類しています。そして、歩き方には性格が表れるといいます。

「早足で腕を大きく振って歩くタイプは目標志向型の人で、仕事をバリバリこなす勤勉家。ポケットに手を突っ込んで歩くタイプはひねくれ者で、人のあら探しが得意な批判家など数タイプに分類されるのです」(藤本さん)

「内側(心)は必ず、外側(行動など)に表れます。隠しきれないのです。そして、全体は部分に表れます。歩き方がキビキビした人は仕事もキビキビこなします。ダラダラした歩き方は心のだらしなさの反映です。仕事のスピードも期待できません。相手はあなたの歩き方(外側)を見て、あなたの性格(内側)を無意識に推測してしまうのです」

 仕事で相手を理解しようと思うなら、相手をよく見て観察する姿勢が必要です。相手をよく見れば、相手の内面は外側に表出しているものです。理解できれば、人間関係構築に生かすことができます。人間関係がストレスになると仕事に支障をきたし、パフォーマンスに影響を与えるので注意が必要です。さて、あなたの人間関係は良好ですか。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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