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斉藤由貴から上白石萌音&萌歌へ! 東宝シンデレラが受け継ぐ「女優」遺伝子

精神的意味での「シンデレラ性」

 そして何より、この3者に共通しているのは、精神的な意味での「シンデレラ性」です。萌歌さんは東宝シンデレラのグランプリ、萌音さんは審査員特別賞、斉藤さんはファイナリストという経歴の持ち主。童話の「シンデレラ」が本来、目立たなかった少女がその魅力を発見されることで幸せへと踏み出す物語であるように、彼女たちも最初から自信にあふれていたわけではありません。

 今年1月に放送された「A-Studio」(TBS系)では、姉に誘われ、一緒に東宝シンデレラを受けることになった萌歌さんが、実は気が進まず、泣いたりしていたというエピソードが紹介されました。

「絶対に向いてないし、人前で話すこともできないから」

 というのが、その理由です。では、誘った姉はどうかというと、7歳くらいのときの、こんな過去を明かしました。

「学校に行けなかったんです。保健室登校みたいになってた時期があって。あんまり友達とうまくいかなくて」

 この番組を見ながら思い出したのが、29歳の斉藤さんにインタビューした際、耳にした発言でした。

「自分から表に出て行く快活なタイプじゃなかったから、友達も多くなかったし、だけどその分、誰かに認められたい気持ちも強かったんですよ(略)だから、芸能界に入って、自分みたいな人間にもニーズがある、認めてもらえるというのがすごくうれしかったんです。今思えば、それまでの十数年は、起爆力をつける意味で十分な時間だったんでしょうね」(「宝島30」、1995年)

 つまり、3人とも内向的で、ともすれば自分をイケてないと思っていた時期があったわけです。そういう経験は自己表現への欲求を高め、パワーとして蓄積されます。それがやがて、女優になったときの「起爆力」につながったのではと。それこそが、現代のシンデレラたちが受け継ぐ遺伝子なのではと感じたものです。

 なお、斉藤さんが世に出た東宝シンデレラでグランプリになったのが、沢口靖子さんでした。そして、萌歌さん、萌音さんのときにニュージェネレーション賞を受けたのが、浜辺美波さんです。何となく、沢口さんの遺伝子は浜辺さんが受け継いでいるような気がします。

 また、この世代の中間にグランプリとなった長澤まさみさんには、斉藤さんと沢口さん両方の遺伝子を感じます。さらに、現時点で最も新しいグランプリ受賞者・福本莉子さんの飛躍も期待したいところです。

 斉藤さんをはじめ、彼女たちがこれからどんな夢を見せてくれるのか。それぞれのシンデレラストーリーを、楽しみに見守るとしましょう。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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