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環奈、すず、美波…大物感漂う秘密は“オヤジ的”食生活にあり?

ドラマ、映画など多くの作品で引っ張りだこの橋本環奈さん、広瀬すずさん、浜辺美波さん。この3人には、とある共通点があると筆者は分析します。

橋本環奈さん(2020年2月、時事通信フォト)、広瀬すずさん(2020年9月、時事)、浜辺美波さん
橋本環奈さん(2020年2月、時事通信フォト)、広瀬すずさん(2020年9月、時事)、浜辺美波さん

 1月7日放送の「あさイチ」(NHK総合)に橋本環奈さんが生出演、お正月の過ごし方を振り返りました。「からすみと塩辛で日本酒飲んでました」ということで「血圧、尿酸値は気にしたいと思います」と苦笑い。元々、「しょっぱいもの」が好きで、「甘いものが年々、食べられなくなってきた」そうです。

 元日に発表された「実は『酒豪』だと知って驚いた女性芸能人ランキング」(gooランキング)でも1位になっていて、「オジサンっぽいっていうのはよく言われます」とのこと。このギャップもまた、魅力なのでしょう。

共通点を持つ3人

 これを見ながら思い出したのが、昨年11月、「情熱大陸」(TBS系)に2週連続で登場した広瀬すずさんのことです。後編ではシリアスな映画にストイックな態度で取り組む姿が紹介され、完成後、好物のラーメンを4カ月ぶりに食べる光景が映し出されました。

 いわゆる、「町中華」的な店でビールを飲みながら、ラーメンを完食。スープも全部飲み干して、「塩分最高!」と満面の笑みを浮かべていたものです。実は広瀬さん、「ホットペッパー」(2021年4月号)では「2~3日に1回はラーメンを食べてます」「ギョーザとビールも頼んで、1杯だけ飲んで帰ったりします」と明かしていました。

 なお、普段から、1人で外食できるそうで「人の少ない早い時間に焼き肉焼いたりしています(笑)」とのことです。

 そんな「1人焼き肉」については、浜辺美波さんも平気だと語っていました。昨年10月、「霜降りミキXIT」(TBS系)でのことです。

 また、浜辺さんはおととしの12月、「KinKi Kidsのブンブブーン」(フジテレビ系)で、子どもの頃からの漬物への思い入れを披露。番組で出された名店の奈良漬を気に入り、お酒のつまみにしたいと話していました。

 さらに昨年8月の「おしゃれイズム」(日本テレビ系)では、漫画家の幸田もも子さんと一緒に、2泊3日のファスティング合宿に出掛けたときのエピソードを告白。宿泊先に向かう40分ほどの移動中、飲み納めということで「アルコール度数高めのお酒を3~4缶くらい」を空けてしまい、翌朝の体重測定ではむしろ、増えていたそうです。

 本人いわく、「液体だったらいいんじゃないか、みたいな感じもあって」とお笑いコンビ・サンドウィッチマンのネタのような見解で笑わせていました。

 とまあ、食を巡る行動で共通点を持つ3人。橋本さんは22歳、広瀬さんは23歳、浜辺さんは21歳ですが、若手なのに大物感を漂わせているところも似ています。もちろん、食の好みやお酒が飲めるかどうかは人それぞれとはいえ、その意外な“オヤジっぽさ”が、彼女たちの大物感にもどこかつながっている気もするのです。

2次元作品で力を発揮

 例えば、橋本さんの場合、共演者から、その人見知りしない性格、誰とでもすぐに仲良くなれる才能を絶賛されたりしています。そこには、元々のコミュニケーション能力に加え、お酒も一役買っているようです。世の中的には廃れつつある「飲みニケーション」も彼女の中では健在というわけです。

 また、仕事が終わると「飲みたくなっちゃう」そうで、オンとオフのリセットに活用していることもうかがえます。これは広瀬さんや浜辺さんの「1人焼き肉」にも通じるものでしょう。

 この3人は高度経済成長期の日本を支えたサラリーマンのように、そのオヤジっぽさで、明日への活力をチャージしているとも言えます。そのパワーが大物感にもつながるのです。

 パワーの証しといえば、彼女たちにはもう一つ、共通点を感じます。それは漫画や小説、アニメといった2次元作品の実写化に強いということ。

 橋本さんには「かぐや様は告らせたい」、広瀬さんには「ちはやふる」、浜辺さんには「賭ケグルイ」というようにシリーズ化された代表作があり、それぞれ、先行作品のファンからも支持されました。

 2次元作品の実写化でヒロインを演じるには、独特のパワーが必要です。なにせ、次元を飛び越えるのですから。この3人には、それを可能にするだけの役者としての爆発力を感じます。

 これは、時にオヤジっぽくも映る行動からも培われているのでしょう。なお、大女優には意外と、男性っぽい性格の人が多いということが昔からよく言われますが、現在、20代前半の女優の中では、この3人がその代表的存在なのかもしれません。

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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