在宅勤務に外出自粛…巣ごもりによる「コロナ太り」を防ぐ食事と生活
新型コロナウイルスの影響で、外になかなか出られないという人が増えています。懸念される「コロナ太り」を防ぐための方策を、管理栄養士が解説します。

新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務となり、外出自粛要請も重なって、外になかなか出られないという人が増えています。そんな生活で懸念されるのが、いわゆる「コロナ太り」です。3食、家で食べ、外出もままならないときでも太らない食事と、生活の仕方のヒントをお伝えしましょう。
外出自粛するとどうなる?
外出を控えるようになると一般的に、身体活動量が減ります。身体活動量が極端に減ると、心筋梗塞や脳卒中のリスク増加、うつ病の発生、認知機能の低下などの影響が出る可能性が高くなります。また、ある調査では、1日に歩く歩数が約1000歩減っているという結果も出ています。この状況が長く続くと、今までと同じものを同じ量食べていても太ることとなり、メタボの人が増えてしまうでしょう。
新型コロナ感染症が落ち着いた後、日本国民の多くが不健康になってしまう可能性もあります。実際に、「ダイエットの成果が現れにくくなっている」というアンケート結果が出ている調査もあります。
自宅でもこまめに体を動かす
コロナ太りを防ぐためには、当然のことながら、毎日の摂取カロリーを減らす、もしくは消費カロリーを増やすことが大切です。通勤があれば歩く機会があったものが、自宅にいることで運動量が激減している人が多いと思います。そこで、少しでも体を動かすことがポイントになります。
運動の習慣に関係なく、日常生活の中でよく動く人は、座りっ放しであまり動かずに過ごしている人より、痩せているという研究報告もあります。日頃から、体を動かすことを意識するだけで消費エネルギーを増やすことができ、ダイエットになります。
運動で内臓脂肪を減らすには、「10メッツ・時以上/週」の有酸素運動を行うことが推奨されています。「メッツ」とは運動強度の単位で、安静時を1として、その何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示した単位です。歩く、軽い筋トレ、掃除をする、子どもと遊ぶなどは3~3.5メッツ程度、ランニングは8メッツ程度です。
また、体重や脂肪を減らすために効果的な運動は有酸素運動であり、ウオーキング、自転車エルゴメーター(自転車型トレーニングマシン)、ジョギングがおすすめです。
こうして体を動かして汗をかくことで、すっきりした気持ちになります。ランニングなどのリズム運動は「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促してくれることも分かっています。
セロトニンは朝日を浴びることでも増やすことができますから、気持ちが落ち込みそうなときには、朝走ってみましょう。無理なく、とにかく楽しく走ることができるペースで続けることがポイントです。
規則正しい食生活を
自宅にいると食べ物が近くにあるため、食べながら仕事をしてしまうなど、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。体重(脂肪)が1キロ増えるには、約7200キロカロリーが必要といわれます。1日の消費エネルギー(消費カロリー)が350キロカロリー少なくなると、約3週間で1キロ太ることになります。食べ過ぎた分をプラスすれば、さらに太りやすくなってしまいます。
まずは、規則正しく食事を取るために、おなかをしっかりすかせて食べる▽腹八分を意識して食べる▽寝る2~3時間前は何も食べない――ことを守るようにしましょう。
食べ過ぎは禁物ですが一方で、「朝は飲み物だけ、昼はおにぎりと野菜スープ、夜はサラダとおやつ」といった簡単な食事で済ませる生活も危険です。栄養不足になり、代謝も落ちてしまい、痩せにくい体になってしまいます。魚、肉、卵、大豆製品などタンパク質が多く含まれる食品、ご飯、野菜、果物をバランスよく食べることが大切です。
いつもと違う時間の過ごし方になることで、ストレスを感じ、ドカ食いしてしまう人もいるでしょう。まずは、3食バランスよく食事を取りながら、体を動かすことを意識して気分転換を図り、コロナ太りを予防しましょう。
(管理栄養士、NS Labo代表理事 岡田明子)
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