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臨時休校により外で遊ぶ子ども増加? 新型コロナ感染の危険性はない?

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、多くの学校が休校となりました。その影響からか、公園では多くの子どもが遊んでいますが、感染する危険性はないのでしょうか。

屋外で子どもを遊ばせた場合、感染リスクは?
屋外で子どもを遊ばせた場合、感染リスクは?

 全国の9割以上の小中高校が3月2日以降、臨時休校となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大は止まりません。そうした中、公園では多くの子どもたちが遊んでいる姿が目立ちます。そもそも、休校措置は学校での集団感染を防止するのが目的でしたが、公園のような屋外の場所に多くの人が集まると、感染リスクが高まるのではないでしょうか。

 屋外で子どもを遊ばせる際の感染リスクや感染防止に向けた取り組みについて、医療ジャーナリスト・キャスターの森まどかさんに聞きました。

子どもの感染数は少ないが…

Q.そもそも、今回の新型コロナウイルスはどのように感染が広がるのでしょうか。また、インフルエンザと比べて感染力は強いのですか。

森さん「現時点では、感染者の咳(せき)、くしゃみ、唾液によって放出されたウイルスを、非感染者が口や鼻から吸い込んで感染する『飛沫(ひまつ)感染』と、感染者が咳やくしゃみを押さえた際にウイルスが手に付着し、その手で触ったドアノブやつり革、手すり、ビュッフェのトングなどから非感染者に感染する『接触感染』の2つのルートが考えられています。

厚生労働省は『空気感染』は起きていないという見解を示していますが、換気の悪い密閉空間で多くの人と会話をする場合、咳やくしゃみがなくても感染が広がるリスクがあると考えられています。

新型コロナウイルス対策を議論する政府の専門家会議は3月9日に会見を行い、現在の日本では、感染者の80%は他者へ感染させていない▽1人の感染者から平均何人に感染するかという『実効再生産数』は1程度である――という見解を示しました。これに対して、インフルエンザは感染者1人から2人程度にうつると考えられています」

Q.新型コロナウイルスは、子どもや若い人が感染しても重症化しにくいという説もありますが、本当なのでしょうか。

森さん「子どもの感染数は今のところ少なく、家庭内において親から感染している例が多いです。中国の報告でも、重症化した例はまれで、子どもは感染しても比較的軽症であると考えられています。

しかし、子どもは自分の症状を正確に訴えられないこともあるため、周囲の大人が気を付ける必要があります。また、一般的に『小児ぜんそく』などの持病がある子どもの呼吸器感染症は、重症化する可能性があるということも注意しなければなりません。

成人の場合も、重症化のリスクが高いのは高齢者と基礎疾患(持病)を持っている人であり、若い人の重症化リスクは低いと考えられています。ただ、10代から30代の若い世代の人は感染しても無症状や軽症のことが多く、気付かないうちに感染を広めてしまう可能性もあるとして、専門家会議は注意を呼びかけています」

Q.屋内の閉鎖空間に人が密集すると新型コロナウイルスの感染リスクが高まると言われていますが、公園のような屋外の場所に多くの人が集まっても、同様に感染リスクが高まるのでしょうか。

森さん「屋外での遊びについては神経質になる必要はないと見られていますが、大勢の子どもが集まって遊べば、遊具などを介して接触感染のリスクが高くなる可能性はあります。触れ合ったり、大きな声でしゃべったり歌ったりすれば、飛沫感染のリスクもないとはいえません。集まって遊ぶ子どもたちの密度にもよるでしょう。

しかし、専門家の多くは、屋外で適度に体を動かすことは子どもにとって大切なことであり、対策をした上での屋外の遊びは問題ないという見解を示しています。文部科学省も『児童生徒の健康維持のために屋外で適度な運動をしたり散歩をしたりすること等について妨げるものではなく、感染リスクを極力減らしながら適切な行動をとっていただくことが重要であると考えています』という見解を全国の教育委員会などに示しています」

Q.それでは、屋内と屋外ではどちらの方が感染リスクが高いのでしょうか。

森さん「屋内の方が感染リスクは高いと考えられます。換気の悪い閉ざされた空間は感染のリスクが高まると考えられるからです」

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森まどか(もり・まどか)

医療ジャーナリスト、キャスター

幼少の頃より、医院を開業する父や祖父を通して「地域に暮らす人たちのための医療」を身近に感じながら育つ。医療職には進まず、学習院大学法学部政治学科を卒業。2000年より、医療・健康・介護を専門とする放送局のキャスターとして、現場取材、医師、コメディカル、厚生労働省担当官との対談など数多くの医療番組に出演。医療コンテンツの企画・プロデュース、シンポジウムのコーディネーターなど幅広く活動している。自身が症例数の少ない病気で手術、長期入院をした経験から、「患者の視点」を大切に医師と患者の懸け橋となるような医療情報の発信を目指している。日本医学ジャーナリスト協会正会員、ピンクリボンアドバイザー。

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