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「いきなり社長」と話題 いきなり!ステーキが「訳あり店舗」運営者募集、理由は?

話題性やインパクト的には成功

「いきなり!ステーキ」の取り組みについて、飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。

Q.「いきなり!ステーキ」が訳あり店舗の運営者を募集しており、ネット上で話題となっています。このような形での募集は珍しいケースだと思いますが、どう捉えますか。

成田さん「『いきなり!ステーキ』は、コース料理のメインディッシュだったステーキを『メインディッシュのステーキをいきなりサクッと食べてから次の店へ』とする革新的なスタイルを提案するなど、話題性やインパクトを重視した戦略で業績を伸ばしてきました。今回、運営者を募集した店の業績回復の可否はともかく、話題性やインパクトでは成功ではないでしょうか」

Q.訳あり店舗は売り上げが減少傾向にある店を指すそうです。フランチャイズでこうした運営者を募集するのは問題ないのでしょうか。

成田さん「例えば、募集時に店舗の業績を改ざんしたり、『誰が経営してももうかる』などとあおったりするなどして、事前に聞かされていた店の状況と実際の契約内容が違ってくるようであれば問題だと思います。そうでなければ、特に問題はありません」

Q.ポスターには、「開業資金300万円(保証金150万円含む)」とありますが、飲食店(フランチャイズ)の開業資金としては妥当なのでしょうか。また、「最低保証30万円」「想定収入初動月収70万~100万円」とも書かれていますが、実際に可能なのでしょうか。

成田さん「店舗の契約事項の詳細にもよりますが、一般的な飲食店のフランチャイズ開業資金としては安いと思います。ただし、ポスターでは最低保証や想定収入に関する詳しい説明がないため、売り上げが実現可能かどうかは判断しかねます。飲食店の経営は手法によって大きく変わるため、売り上げが想定を下回ることもありますし、大繁盛することもあります」

Q.フランチャイズで飲食店を運営するメリットはあるのでしょうか。

成田さん「例えば、『いきなり!ステーキ』と同等の飲食店舗を個人で開業するには、最低でも1500万~2500万円はかかります。また、無名の飲食店を開業した際は売り上げも未知数です。フランチャイズで初期費用を抑えられ、『いきなり!ステーキ』のネームバリューもありますので、契約内容によっては十分にメリットはあると思います」

Q.フランチャイズの飲食店運営者になる際の注意点はありますか。

成田さん「月々のロイヤルティー(商標権などの使用料)や販売促進費、解約要綱などを含め、まずは契約内容を事前によく確認することです。私のコンサルティング会社にも『フランチャイズ契約後、マイナス要因があった』といった相談がありますが、契約後に解決するのは難しいです。

ただ、飲食店を経営したことがない人には、契約内容の判断は難しいと思います。事前に飲食店専門のコンサルタントに相談してみるのもいいかもしれません」

Q.「いきなり!ステーキ」苦境の理由と打開策として考えられることは。

成田さん「要因はいくつもありますが、一般的には店舗数の拡大が早過ぎたなどと言われています。個別企業について具体的な打開策をお伝えすることは遠慮しますが、一般的には、目の前の結果を追い求めるのではなく、『100年続く店づくり』を目指すことが業績回復につながると考えています」

(オトナンサー編集部)

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成田良爾(なりた・りょうじ)

飲食店経営コンサルタント

ヴィガーコーポレーション代表取締役。厚生労働省公認レストランサービス技能士(国家資格)、文部科学省後援サービス接遇検定準1級、食生活アドバイザー2級、他。飲食業界25年以上。ミシュランガイド掲載の高級レストランから個人経営の小さな大衆店まで幅広いジャンルの飲食店に携わり、その経験に基づく統計解析および枠にとらわれないアイデアで多くの赤字店を黒字化させてきた実績を持つ。「100年続く店づくり」をモットーに、次世代育成や飲食業の働き方改革などにも力を入れており、食文化普及の他、職業訓練校講師(フードビジネス科)や子育て女性就職支援事業講師なども歴任。現在も多くの飲食店経営者のサポートを手掛ける。飲食店専門のコンサルティング「オフィスヴィガー」HP(http://with-vigor.com/)。

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