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千葉9歳女児殺害 地元防犯情報はなぜ緊張感を欠いたのか

あまりに緊張感のない防犯情報の中身

 共同通信によると、今回の事件前、殺害された女児は同級生に「通学路に不審な知らない大人がいた」と不安を伝えていたといいます。しかし、市教委は筆者の取材に、「学校も教育委員会もそういった事前情報は把握していない」と回答しました。女児が仮に学校へ不安を訴えていたとしても、学校→警察→市民安全課という連携ができず、地域住民には情報が届いていなかった可能性が高いといえます。

 実際に遺体が見つかる直前に配信された防犯情報は、女児の行方不明を伝える市民安全課のメール(25日午前発信、以下上段)と、23日に発生したひったくりを伝える千葉県警のメール(24日午前発信、同下段)でした。

 事件の結果からさかのぼると、緊張感に欠ける内容です。「通学途中の9歳の女の子が」と書かれていたら、受信する側の姿勢にも影響を与えたでしょう。

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差出人:松戸市安全安心メール
件名:行方不明について
日付:2017年03月25日 10:48:14 JST

3月24日午前8時頃から、松戸市六実5丁目付近から、9歳の女の子が行方不明となっております。

特徴は、
身長 130センチ位
体格 中肉
頭髪 黒色、肩くらいまでの長さ
服装 上衣 灰色パーカー、下衣 ピンク色ズボンとピンク色スパッツ、履物 白色と黒色のツートンカラーの靴、黄色学童帽着用、赤色ランドセルを所持です。
お心当りのある方は、松戸東警察署までご連絡下さい。

松戸東警察署 047-349-0110
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差出人:松戸東警察署
件名:ひったくりの発生について
日付:2017年03月24日 11:31:52 JST

3月23日(木)午後4時16分頃、松戸市常盤平2丁目付近で、徒歩の女性が、後方から近づく犯人に、追い抜きざまに手提げバッグをひったくられる事件が発生しました。
犯人は、駆け足で逃走しています。
夕方や夜、帰宅途中の被害が多いので、カエル作戦!
◯バッグは、たすきがけにしましょう。(かけカエル)
◯手荷物は、道路と反対側の、歩道側にもちましょう。(もちカエル)
◯オートバイの音がしたら、振り返って確認しましょう。(ふりカエル)
◯自転車の前カゴには、カバーをつけましょう。(つけカエル)
交通事故防止にもなりますので、後方から近づくオートバイやクルマの音に気をつけましょう。

【送信元】
松戸東警察署
〒270-0023 千葉県松戸市八ケ崎4-51-9
TEL:047-349-0110
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 対照的に、遺体が発見された我孫子市では、松戸市と比べて連携が進んでいるとみられ、卑わいな声かけや下半身露出事案が発生した際には市と警察の両方がメール配信しています。

(日本不審者情報センター代表 佐藤裕一)

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佐藤裕一(さとう・ゆういち)

ジャーナリスト、日本不審者情報センター代表

1975年生まれ、慶応義塾大学文学部卒。若者の過労死問題と鉄道人身事故の取材経験から、子どもの安全情報に関心を持つようになり、子どもの安全に関する情報の中で最も多いのが不審者情報だったことから、2016年に日本不審者情報センターを設立した。講道館柔道5段。日本不審者情報センター(https://fushinsha-joho.co.jp)。

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