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千葉9歳女児殺害 地元防犯情報はなぜ緊張感を欠いたのか

子どもが関係する事件・事故において、最も数が多い情報は不審者の出没情報といいます。しかし、先日殺害された9歳の女児が住んでいた千葉県松戸市では、この不審者情報をめぐって、関係機関が連携できていなかったようです。

子ども関係の事件と不審者情報の関係は深い

 子どもが関係する事件・事故の報道や公的情報を集めていくと、最も数が多くなるのが、子どもを狙った不審者の出没情報です。声かけ、つきまとい、痴漢行為、下半身露出、暴行をはじめとするさまざまな不審者情報を、全国各地の警察や自治体が登録者向けにメールで配信しています。

空き巣や自動車盗情報が大半の松戸市

 先日殺害された9歳の女子小学生が住んでいた千葉県松戸市でも、市と千葉県警がそれぞれメール配信を行っていますが、不審者情報をめぐっては、関係機関の連携がほとんどできていないことが分かります。

 松戸市によると、同市は「安全安心情報」という名称のメール配信サービスを2006年4月から開始。ウェブサイトによると、「災害・不審者・犯罪などの情報を、携帯電話をお持ちの皆様のご希望により自動的にメール配信」しています。

 不審者情報も対象になっていますが、筆者がこのサービスに登録した昨年6月以降、実際に配信されたのは空き巣や自動車盗、行方不明者に関するものがほとんど。不審者情報は一件もなく、サービスを実施している市民安全課の担当者は「警察から情報があれば配信する形で、配信数は多くない」と話します。

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佐藤裕一(さとう・ゆういち)

ジャーナリスト、日本不審者情報センター代表

1975年生まれ、慶応義塾大学文学部卒。若者の過労死問題と鉄道人身事故の取材経験から、子どもの安全情報に関心を持つようになり、子どもの安全に関する情報の中で最も多いのが不審者情報だったことから、2016年に日本不審者情報センターを設立した。講道館柔道5段。日本不審者情報センター(https://fushinsha-joho.co.jp)。

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