オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

千葉9歳女児殺害 地元防犯情報はなぜ緊張感を欠いたのか

“怪しい”だけでは情報共有されない

 千葉県警も防犯情報のメール配信を行っていますが、不審者情報の配信数は「貧弱」のひと言に尽きます。東京、神奈川、埼玉の各警察が実施する同様のサービスに比べて配信数は際立って少なく、人口50万人規模の松戸市内に限っても、県警が出した不審者情報は昨年6月以降ゼロです。

 県全体で見ても、情報を必要とする人にとっては役に立たないレベルです。警察からの情報に頼っている市民安全課の配信が少ないのは、その影響と言えます。

 その一方で、同課と同市教育委員会によると、児童らの保護者向けに、各学校が独自の判断で防犯情報のメール配信を行うことがあるといいます。問題はここからです。各学校が配信するのはあくまで保護者向けである上に、市教委が配信情報のすべてを把握しているわけではないといいます。

 子どもの連れ去りにつながるような事案など「危険度が高い場合は、各学校から情報を上げてもらい、警察にも伝えるが、すべての情報を共有しているわけではない」と学事課の担当者は話します。「怪しい人がいた」というだけでは、情報は学校単位にとどまってしまい、関係機関での共有には至らないというのです。

1 2 3 4

佐藤裕一(さとう・ゆういち)

ジャーナリスト、日本不審者情報センター代表

1975年生まれ、慶応義塾大学文学部卒。若者の過労死問題と鉄道人身事故の取材経験から、子どもの安全情報に関心を持つようになり、子どもの安全に関する情報の中で最も多いのが不審者情報だったことから、2016年に日本不審者情報センターを設立した。講道館柔道5段。日本不審者情報センター(https://fushinsha-joho.co.jp)。

コメント