小室圭さんで話題の米ロースクール 「特待生」「非特待生」の差はこんなに大きい!
米ロースクール留学中の小室圭さんは、特待生として学費を免除されていますが、特待生でない人を取り巻く経済的環境は厳しいようです。
![小室圭さん(2018年8月、時事)](https://otonanswer.jp/wp-content/uploads/2020/01/200118_komuro_01-360x249.jpg)
小室圭さんは、米ニューヨークにあるフォーダム大学ロースクールで勉強しています。同ロースクールの年間学費はおよそ6万3000ドル(約690万円)。特待生としてその学費の免除を受けていますが、特待生でない人を取り巻く経済的環境は厳しいようです。
今回は、ニューヨーク州弁護士のリッキー徳永(徳永怜一)さんに伺います。徳永さんは日本の大学を卒業後、単身渡米し、ルイジアナ州ニューオリンズのTulane University Law School(LLM)に留学。ニューヨークに拠点を移して法律事務所で7年間勤務し、米国現地企業や日系企業に対する法的助言や契約書などの作成を担当しました。現在は外資系IT企業に勤務しています。
学費未納だと授業を登録できない
特待生の人とそうでない人には、どのような差があるのでしょうか。
「最大の差は金銭的支援です。高額な学費を自腹で支払うとなると、その負担はかなりのものになるはずです。ロースクールの勉強は過酷なため、学校に通いながら学費を稼ぐことは困難でしょう。アメリカの大学はお金に関してもシビアです。決められた学費を期限までに支払わなければ授業を登録することができません」(徳永さん)
「さらに、卒業時に諸経費などの未払いがあると、単位を取得できないこともあります。どんなに成績が良くても、就職が決まっていても、正式に卒業できなければ意味がなくなってしまいます。奨学金による金銭的支援は学生生活を左右する大きな要素なのです」
さらに、徳永さんは次のように続けます。
「また、寮や食費、保険代、教科書代、交通費などもろもろの費用がかかります。ニューヨークのような大都会ではこれらの費用が高額になるため、学生はあらゆる方法で節約をしています」
「節約術として、住居は数人のルームメートとシェアをするというのはアメリカではよくあります。マンハッタンの家賃はシェアをしても高額なため、学生によってはその周辺のクイーンズ地区や隣のニュージャージー州に住むこともあります。大学の寮も安くはないため、賢い選択をしなければいけません」
筆者の知人が留学した際には、高額な専門書を単位取得済みの上級生から購入したり、中古教科書専門の書店も利用したりしたと聞いたことがあります。法学やロースクールで使用する教科書はかなり高額で1冊1万円以上することもあるのです。
成績重視でシビアなロースクール
今お話したような節約程度では、抜本的な問題解決にはなりそうにありません。他にも、アルバイトなど稼ぐための手段はありますが実態はどうなのでしょうか。
「留学生は基本的に働くことはできません。ただし、一定の条件下、学内に限りアルバイトをすることができます。そこで、ロースクール生におすすめなのが、図書館のアルバイトです。仕事内容は受付業務や本の整理など。学業に支障がない範囲であれば問題ないでしょう」
「図書館の受付に行ったら友達が座っていたということはよくあります。金銭的メリット以外にも、多くのアメリカ人学生と知り合うことができる、出入りしているスタッフや教授と接点ができるなど、アルバイトのやり方次第では世界が広がることもあります」
「米ロースクールはとにかく成績がすべてです。必修科目は相対評価ですので、A評価はクラスの上位何割という基準があり、クラス全体がいくら出来が良かったとしても、必ず何割かは最低評価がつく仕組みになっています。仲間同士で勉強を頑張る環境といえども、一人一人がライバルなのです」
米国では、学内での評価から奨学金の基準、就職や転職まで、学校の成績がついて回ります。卒業したというだけではなく、成績の平均点が学業の成果として見られるためです。特待生が多くの恩恵を受けられるのは事実ですが、ベースは学生同士がライバルとなり、成績重視の環境で勉学をしていることに帰結すると思います。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
コメント