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なぜ「おでん」販売をやめるコンビニが増えているのか

完全に消え去る日も近い?

Q.将来的に、おでんはコンビニで取り扱われなくなるのでしょうか。

渡辺さん「取り扱いを完全にやめることはないと思います。先日、知人が経営する、とあるコンビニ店がおでんを1日1000個以上売り上げました。おでんそのものの需要はまだあります。特に、ダイコンやこんにゃくなどの具材は低カロリーのため、女性に人気があります。コンビニ各社は販売力を生かして質の良い具材を仕入れているため、丁寧に作ればおいしいおでんができます。また、おでんの利益率は約5割なので、売れば売るほど利益が生まれる商品でもあります。

ただ、厳しい言い方になりますが、商売は『売りたい』という気持ちがないと売れません。この店舗がなぜ1000個売り上げたかというと、品ぞろえをしっかりさせるだけでなく、『70円セールです、いかがですか』などと来店客に積極的に声を掛けたからです。声を掛けられると、『買ってみようかな』という気持ちにさせられることもあります。以前所属していたローソンで店長をしていた際に気付いたことです」

Q.おでんの取り扱い店舗が減っていることについて、どう捉えていますか。

渡辺さん「おでんは、コーヒーやたばこなどのように全店舗で取り扱う必要はありません。おでんを真剣に売りたいと考える店舗が取り扱えばいいと思います。クオリティーの低い状況でのおでんの販売は、来店客にとってマイナスとなります。

全店舗で共通のサービスを行うコンビニのビジネスモデルは変化しつつあります。人手不足の店舗であれば、特定のサービスに特化するなど、今後は店舗の状況に応じてサービスを変化させる柔軟さが求められると思います。おでんの販売中止は人手不足だけでなく、本部から加盟店への一方的な要求など、コンビニ業界が抱える課題が凝縮された現象だと捉えています」

(オトナンサー編集部)

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渡辺広明(わたなべ・ひろあき)

流通アナリスト、マーケティングアナリスト、コンビニジャーナリスト

1967年4月24日生まれ。浜松市出身。東洋大学法学部経営法学科卒業後、ローソン入社。22年勤務し、店長、スーパーバイザーを経てコンビニバイヤーを16年経験、約700品の商品開発を行う。同社退社後、pdc、TBCグループを経て、2019年3月、やらまいかマーケティング(https://www.yaramaikahw.com/)を設立。同時期に芸能事務所オスカープロモーションに移籍し、オフラインサロン「流通未来研究所」を開設。テレビ、ラジオなどで幅広く活動する。著書に「コンビニの傘はなぜ大きくなったのか」(グーテンブック)「コンビニが日本から消えたなら」(KKベストセラーズ)

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