味、それとも作り方? 「生ビール」と「缶ビール」は何が違うのか
キンキンに冷えたジョッキに注がれる、居酒屋などの「生ビール」。大ファンという方も多いのではないでしょうか。しかし、お店の生ビールと、市販の缶ビールの違いとはそもそも何でしょうか。

居酒屋に入ったら、「とりあえず生」とオーダーする人は多いかと思います。サーバーから冷えたジョッキに注がれる「生ビール」は、缶ビールや瓶ビールとはひと味違った魅力があります。
しかし、そもそもこの「生ビール」と、缶ビールや瓶ビールの違いは何なのでしょうか。オトナンサー編集部では、ビール大手各社で構成するビール酒造組合に聞きました。
現在は熱処理がほとんど行われていない
まず、日本の生ビールは「熱処理していないビール」を意味します。同組合の担当者によると、以前は微生物による劣化や、ろ過しきれなかった酵母の働きによる品質の変化を防ぐため、ほとんどのビールが熱処理されていました。しかし現在では、製造工程の衛生管理レベルや、ろ過技術の向上によってほとんど行われなくなり、缶ビールも生ビールとして表示されています。
つまり、居酒屋で飲む「生ビール」も缶ビールも、いずれも生ビールなのです。
しかし、居酒屋の「生ビール(樽生ビール)」のあの味は、やはり缶ビールとは異なります。「居酒屋の生ビールの大きな特徴はクリーミーな泡。各社のサーバーにはきめ細かいクリーミーな泡を作るノズルが付いています。その泡が炭酸ガスの抜けやビールの酸化を防ぎ、口当たりを滑らかにするのです」(担当者)。
缶ビールも注ぎ方を工夫すれば、樽生ビールの泡に近づけることができます。たとえば、サントリーのホームページには、以下のような手順が紹介されています。
1.グラスを冷蔵庫で冷やす
2.ビールをグラスの1/3くらいまで勢いよく注ぎ、ふたの役割を果たす泡を作る
3.泡が落ち着くのを待ってから、炭酸を逃さないように、グラスに沿ってゆっくり注ぐ
4.「ビール:泡」は「7:3」がベスト
(※つぎ足しは炭酸ガスが逃げ、爽快さを損ねてしまうため、再び注ぐのは一杯飲み干した後にする)
ちなみに、日本で「生ビール」と同義に用いられることの多い「draft beer」は本来、「樽出しビール」といった意味だそう。「熱処理していないビール」に相当する英語は、「non-pasteurized beer」となります。
(オトナンサー編集部)
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