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「イタコ芸」利用ビジネスは詐欺罪にあたらないのか

壺を買わせてしまったらアウト

 しかし、該当するケースもあります。たとえば「芸を利用して『この壺を買わなければ、がんになって1年以内に死んでしまう』と言って、壺を買った人がいたとしたら詐欺罪が成立します」。

 霊魂がこの世に存在するかどうかは「分からない」としても、「壺を買わないとがんになって1年以内に死ぬ」という言葉の内容については、「真実に反している」と考えるのが「健全な社会常識」であるため、「だます」ことになるといいます。

 では「この壺を買うと幸福になります」と言った場合はどうなるのでしょうか。「表現内容にもよりますが、『幸福になります』で買った人がいても、ただちに『だます』ことにはなりません」。

 その理由としては、「幸福」という概念は抽象的であり、幸福になるかどうかは「分からない」というのが、「健全な社会常識」と考えられるからです。

「分からない」という感覚

「霊魂が存在することは、科学的に証明されていませんが、存在しないことも証明されていない。法律の世界では『社会通念』という言葉がよく使われるのですが、それを言い換えると『健全な社会常識』です。何が健全で何が常識なのか一概には言い切れませんが、こうしたバランス感覚がとても重要なのです」

 これを機会に「分からない」という感覚について改めて考えてみるのも、よいかもしれませんね。

(オトナンサー編集部)

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長家広明(ながや・ひろあき)

弁護士

1963年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。1997年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2004年インテグラル法律事務所設立。インテグラル法律事務所パートナー弁護士。NPO法人「遺言・相続リーガルネットワーク」事務局長、板橋区役所法律相談員、板橋区感染症診査協議会委員。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、日経ビジネスコラム執筆などメディア出演多数。一般人にも分かりやすい例を用いて、法律をユーモラスに知ってもらいたいと考えている。http://nagaya4.wixsite.com/integral

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