子どもに冷たい「冷蔵庫マザー」? 自閉症の原因は親の育て方にあらず、障害と向き合おう
伝えなければ配慮してもらえない
現代は「人生100年時代」。親亡き後、長い人生が続きます。仮に親が30歳で子どもを産んだら、親が80歳のとき、子どもは50歳です。50歳の引きこもりの子どもを、同居している80代の年金暮らしの親が支える状態を表す「8050問題」は、「背景に発達障害が隠れているのでは」ともいわれています。
福祉の網の目からこぼれ落ちないために、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を取得しましょう。これがなければ、「障害がある」証明が行政にできないからです。また、手帳が取得できなくても、「障害福祉サービス受給者証」を取得し、福祉サービスを受けることもできます。こうして、まず「つながる」こと。そして「行動する」ことです。
「手帳を持っているとデメリットがある」「受験するとき、不利になるのでは」という人がいますが、デメリットはありません。使いたくなければ、たんすの奥にしまっておけばよいのですから。むしろ手帳を持っていなければ、就職するとき、障害者の法定雇用率にカウントされず、他の健常者と全く同じスタートラインで就労することになり、苦労します。
「福祉とつながらないまま、親子ともに社会から孤立し、親が亡くなった後に子どもは孤独死」。このようなことを避けるためには、子どもの状態をしっかり見つめて「この子が幸せな人生を歩むためには、親として今、何をしなくてはならないか」を考えることが大切だと思います。
「障害者差別解消法」という法律ができ、公的機関では「合理的配慮」をすることになっているので、小学校に行けば配慮してもらうことができます。障害のある子どもを育てていることを隠す家族もいますが、これはカミングアウトしていなければ、かなわないことです。さらに、子どもにとっては「家族が自分のことを隠したい存在だと思っている」ことであり、子どもに対してとても失礼なことだと思うのです。
親が亡くなった後、残された子どもから「世間体を気にして障害を隠し、何も動いてくれなかった」と恨まれることのないように、ぜひ前に進んでほしいと思います。
(子育て本著者・講演家 立石美津子)



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