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きょう「防災の日」 ペットと安全に避難するために、飼い主が心がけておくべきこと

狂犬病の予防接種は必ず受けて

Q.避難所に入った際に気を付けるべきことは。

小林さん「避難所は、泣いている子どもがいると、他の避難者から『うるさい』と苦情が出るような現場です。子どもでさえそうなるのですから、犬が夜間などに不用意にほえたりしたら、ひんしゅくを買うことになるでしょう。避難所でもうまく振る舞えるように、例えば外出先で勝手にほえたり、動き回ったりせずに、常にコントロールできるようなペットとの関係性を日頃から構築してほしいものです」

Q.衛生面で、普段から注意すべきことはありますか。

小林さん「狂犬病の予防接種は、平時に必ず受けておきましょう。大きく誤解されているようですが、狂犬病の予防注射は人の健康を守るためのものです。厚生労働省によると、2017年度末時点で、全国の狂犬病の予防接種率は71.4%です。ただ、これはあくまで行政に登録されている犬を対象とした数字で、登録されていない犬を含めると50%にも満たないという意見もあります。

この状況で犬が避難所に入った場合、大きなトラブルになることが懸念されます。ただでさえ災害時には、人がヒステリックな気持ちに陥っている中、避難所に予防接種を受けていない犬が来たら大きな恐怖を感じるかもしれません。こうなると、理屈ではなく感情の問題となり、なかなか修復できない環境が生まれます。そういうペットに対し、人は寛容にはなれませんから、結果的にペットを守ることができなくなってしまいます。

この他、人にも感染する可能性のあるノミやダニなどの外部寄生虫対策、他の動物への感染症対策のための各種ワクチン接種なども積極的に行ってください」

Q.避難所に動物アレルギーの人がいた場合、どうなるのでしょうか。

小林さん「避難所はさまざまな人々が集まります。そして、そこでは人の健康と安全が最優先となります。それ故、人と動物の生活スペースは原則として別にすべきでしょう。飼い主とペットは離れたスペースで生活せざるを得ません。ただ、そのような環境でも、動物福祉に対する考え方は忘れてはいけないと思います。

なお、災害がある程度落ち着いた段階で動物を退避させる場所、いわゆる『疎開先』を決めておくのもいいかもしれません。被災地から遠く離れた場所、例えば、家族のいる実家などへ一時的に預ける方法も有効だと思います」

Q.災害時、獣医師はどのように対応するのでしょうか。

小林さん「各都道府県によって異なります。私が所属する東京都獣医師会では、緊急災害時に都内の動物医療を守るための対応マニュアルを作成しています。災害時には、会に所属する獣医師がネットワークをつくり、東京都、関連各団体と連携を取り活動することになります。

マニュアルでは、獣医師の身体生命、生活の安全を第一に考えています。地域の動物医療を維持するには、獣医師自身が無事でなければいけないという獣医師会の基本方針があります。その方針が、地域の復興やペットの健康を守ることに寄与すると思っています」

(オトナンサー編集部)

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小林元郎(こばやし・もとお)

獣医師

米ニューヨーク州マンハッタンのAnimal Medical Centerにて研修(1990~1991年)。1993年、成城こばやし動物病院を開業。公益社団法人東京都獣医師会副会長、先制動物医療研究会副会長、東京城南地域獣医療推進協会(TRVA)理事、アジア小動物獣医学会所属。

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