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なぜ「2時間枠」は減る一方なのか? 「赤い霊柩車」など人気シリーズはどうなる?

2時間番組は各局ほぼ1枠のみ

 ただし、ドラマ、映画、バラエティー、報道・情報、ドキュメンタリーなど数あるコンテンツの中でも、ファンの間で「2サス」と言われる「2時間のサスペンスドラマ」だけは例外。制作費やロケの負担が大きい上に、根強いファンこそいるものの視聴年齢層が高く、スポンサー受けも微妙であるなど、例えばバラエティーと比べて「新作の希望は薄い」と言わざるを得ません。

 その他、2時間番組枠が1つに減ったことで考えられる影響は、「特番からレギュラー番組に昇格するチャンスが減る」こと。現在放送中のレギュラー番組では、「梅沢富美男のズバッと聞きます!」「芸能人が本気で考えた!ドッキリさせちゃうぞGP」が「金曜プレミアム」での放送を経てレギュラー化されましたが、今後はトライアルとして放送して視聴者の反応を見る機会が減ってしまうことになります。

 かつて、2時間番組はその特別感から“テレビの華”と言われ、レギュラー放送よりも期待感を抱いて見る視聴者が大半を占めていました。しかし、2010年代に入って各局がレギュラー番組の長時間放送を乱発したことで特別感が消失。「長いだけ」「制作費対策」とみなす視聴者が増えたことで、各局の2時間番組枠が減っていきました。

 現在、ゴールデンタイムで放送されている2時間番組枠は、「水トク!」(TBS系)、「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)、「土曜プレミアム」(フジテレビ系)、「土曜スペシャル」(テレビ東京系)、「日曜プライム」(テレビ朝日系)、「日曜ビッグバラエティ」(テレビ東京系)。各局ほぼ1枠ずつに減ったのは、「2時間番組は決まった曜日と時間帯ではなく、不定期で放送すればいい」という方針変更の表れでしょう。

 流動的な番組編成は「視聴習慣がつきにくい」というデメリットがありますが、今や、オンデマンドで好きなときに好きなコンテンツを見られる時代だけに、大きな問題はないでしょう。しかし、ネットコンテンツの台頭で競争が激しくなり、番組の質や面白さを高めることの重要性は以前よりも増しています。

(コラムニスト、テレビ解説者 木村隆志)

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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