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【サッカーW杯】レッドカードなのに次戦出場…アメリカ選手への「執行猶予」に世界中で批判殺到「FIFAは腐っている」

子どもがまねをしても許されるか

 もう1つ、フェアプレーを考えるときの試金石があります。それは2010年の南アフリカ大会・準々決勝、ウルグアイ対ガーナ戦です。

 この試合でガーナのドミニク・アディヤ選手が、無人のゴールへ決定的なヘディングシュートを放ちました。決まればガーナの劇的勝利という場面で、ゴールライン上のルイス・スアレス選手が、まるでゴールキーパーのように両手でボールを弾き出しました。意図的なハンドです。

 スアレスには即レッドカード、ガーナにはPK。ルールは厳格に適用されました。しかし、退場を覚悟の上で、ゴールキーパー以外のプレーヤーが手でシュートを止めるという、この“賢い反則”を、世界中のサッカー少年少女がまねしたら、サッカーはどうなるでしょうか。この試合でルールは守られましたが、フェアプレーの精神は守られたのでしょうか。

 同じ問いを、「執行猶予」にも向けなければなりません。「有力者が働きかければ、退場処分も猶予される」。それを子どもたちが学んでしまったとき、僕らは何を失うのでしょう。

フェアプレーは二度と口にできなくなる

 バログン選手の執行猶予を、「特別な一度きりの例外」で終わらせられるなら、まだいいでしょう。

 しかし、これが判例として積み上がり、そこに政治力が公然と関わるようになれば、話は変わります。ワールドカップは、実力ではなく、力関係で決まる大会になります。そのとき、FIFAは、二度と「フェアプレー」という言葉を、口にできなくなるでしょう。

 フェアプレーは、死ぬ。そうならないことを、心から願っています。

(オトナンサー編集部)

【画像】きれい! これが「サッカーW杯」の美人サポーターです

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江頭満正(えとう・みつまさ)

独立行政法人理化学研究所客員研究員、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事

2000年、「クラフトマックス」代表取締役としてプロ野球携帯公式サイト事業を開始し、2002年、7球団と契約。2006年、事業を売却してスポーツ経営学研究者に。2009年から2021年3月まで尚美学園大学准教授。現在は、独立行政法人理化学研究所の客員研究員を務めるほか、東京都市大学非常勤講師、一般社団法人日本スポーツマンシップ協会理事、音楽フェス主催事業者らが設立した「野外ミュージックフェスコンソーシアム」協力者としても名を連ねている。

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