3月1日は「マヨネーズの日」 なぜ常温で腐らない? 日本での始まりは? キユーピーに聞く
きょう3月1日は「マヨネーズの日」。すっかり調味料の定番となったマヨネーズが、日本で初めて製造・販売された時期にちなむそうです。

きょう3月1日は「マヨネーズの日」。日本の食卓にすっかり定着したマヨネーズが、日本で初めて製造・販売された時期にちなむそうです。「卵を使っているのになぜ常温保存で腐らないのか」「日本のマヨネーズの始まりは」――。マヨネーズに関するさまざまな疑問について、キユーピー(東京都渋谷区)広報部の稲垣雄一さんに聞きました。
酢と食塩で長期保存が可能に
Q.日本のマヨネーズの始まりと「マヨネーズの日」の由来を教えてください。
稲垣さん「キユーピーの創始者、中島董一郎が米国で缶詰の勉強をしていたとき、ポテトサラダに使われていた、おいしくて栄養価も高いマヨネーズに着目し、帰国後、日本人の体格向上を願って栄養価の高いマヨネーズを日本でも作ろうと思い立ち、衣食住の洋風化が進んでいた1925年3月、日本で初めてマヨネーズの製造・販売を始めました。製造・販売を始めた3月、日本初の意味の『1』から、3月1日を『マヨネーズの日』としてキユーピーが日本記念日協会に申請し、登録されました」
Q.卵を原料にしているマヨネーズが、常温で保存しても腐らないのはなぜですか。
稲垣さん「マヨネーズには、防腐剤が一切使われていません。なぜ腐らないのかというと、殺菌力のある酢と、細菌の繁殖を抑える食塩を含んでおり、その相乗効果で、マヨネーズ自体に強い防腐力があるからです。マヨネーズに病原菌を試験的に添加しても、24時間以内に死滅してしまうほどです。ただし、マヨネーズの酢・食塩に防腐作用があるといっても、野菜や肉、魚と一緒に調理すると素材の水分によって防腐作用は弱まるので、調理後は低温で保存し、なるべく早めに召し上がってください」
Q.マヨネーズの賞味期間を教えてください。
稲垣さん「開栓前のキユーピーのマヨネーズの賞味期間は、ボトル入り(450グラム以下)と瓶入りが12カ月、700グラム以上のボトルが10カ月です。開栓前の賞味期限は、外袋の裏面とキャップの天面に印字しています。また、開栓後は冷蔵庫で保存し、1カ月を目安に召し上がってください」
Q.酢や塩の殺菌効果があるのに、開封後、賞味期間が短くなるのはなぜですか。
稲垣さん「マヨネーズが腐るわけではありません。酸化による味の変化が起こってしまうため、冷蔵保存で1カ月を目安にとお願いしています」
Q.マヨネーズについて、コレステロールを心配する人がいます。コレステロールゼロの商品もありますが、通常のマヨネーズを多めに食べても大丈夫なのでしょうか。
稲垣さん「マヨネーズ大さじ約1杯(15グラム)当たりのコレステロール含有量は、キユーピーマヨネーズ25ミリグラム、キユーピーハーフ13ミリグラムです。コレステロールは脂質の一種で、人が生きていく上で必要不可欠な栄養素です。人は1日に100~400ミリグラムのコレステロールを食物から摂取しています。
それ以外に、体内でもコレステロールをつくっており、その量は食べ物から摂取する量の約4倍に当たります。マヨネーズに含まれるコレステロール量は、1日に人が必要としているコレステロール総量からしてみればわずかなものです」
Q.なぜ「キユーピーマヨネーズ」と名付けたのですか。
稲垣さん「1925年の発売時、『マヨネーズがキューピー人形のように、誰からも愛される商品に育ってほしい』との願いを込めて名付けました。キューピー人形は1912年、米国の女性イラストレーター、ローズ・オニールによって生み出されました。人形のもとになったのは、オニール自身が1900年ごろに『キューピッド』(愛の神)をモチーフに創作した『キューピー』のイラストです。キューピー人形は大正時代に日本でも広まり、当時から人気がありました」
Q.ロゴに使っているのが「キューピー人形」なのに、なぜ商品名や会社名は「キユーピー」と「ユ」が大文字なのですか。
稲垣さん「デザイン上のバランスから大文字の『ユ』を採用しました。1922年に商標登録し、1925年の発売当初から大文字の『ユ』を使っています」
ちなみに、キユーピーの創業はマヨネーズ発売の6年前の1919年。今年は、創業100周年だそうです。
(オトナンサー編集部)
コメント