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精神科医が解説! 感情をリセットすると人生がうまくいく

「苦しい」を「楽しい」に変換する

 次に、「クールな楽しさ」について聞きます。これは、マッサージを受けているときの「気持ち良さ」や「リラックス感」、大自然の中で感じられる「安らぎ」のようなことを指します。

「『クールな楽しさ』はセロトニンによるものです。『癒しの物質』とも呼ばれ、『癒された~』と感じるときに分泌されています。感動し、涙を流したときにも出ます。また、座禅や瞑想(めいそう)、読経などによってもセロトニンは活性化します。心が静かで、落ち着いた状態とセロトニンは関係しているのです」

「セロトニンの分泌が低下すると、落ち着きがなくなり、イライラしたり不安になったりします。『安らぎ』とは反対の状態に陥るのです。さまざまな脳内物質が、あなたの『感情』や『気分』を決定づけています。この事実を知っておくことが、『感情リセット』の第一歩です。脳内物質を操る感情リセット術を身につければ、仕事や人間関係がますますうまくいくようになります」

 職場で同じ仕事をこなしている同僚がいます。人によっては、「つらい」と感じたり、「楽しい」と感じたりすることがあります。これは何によるものでしょうか。

「何が違うのかというと、脳内の反応が違うのです。仕事をしているとき、『苦しい』脳内物質が分泌されているか、『楽しい』脳内物質が分泌されているか。それだけの違いだったのです。『楽しい』脳内物質を出すことは、難しいことではありません」

「仕事への取り組み方や姿勢、考え方、受け止め方などを切り替えるだけで、『苦しい』脳内物質が分泌されている状態が、『楽しい』脳内物質が分泌される状態へとチェンジします。あなたの感情はリセット可能です。『苦しい』は『楽しい』に変えられます」

「苦しい」や「つらい」は、脳内物質によるもの。脳内物質を調整することで「苦しい」を取り除き、「楽しい」に変えることができるのです。それだけでなく、プラスの「楽しい」感情にさえ変えてしまう。感情を変える方法は一見の価値があります。

(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、著述家 尾藤克之

コラムニスト、著述家。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。代表作として『頭がいい人の読書術』(すばる舎)など21冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も絶賛公開中。

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