精神科医が解説! 感情をリセットすると人生がうまくいく
樺沢紫苑さんの著書「人生うまくいく人の感情リセット術」における、脳科学に裏付けられた「感情リセット術」について紹介します。
「仕事がうまくいかず焦る」「人間関係にイライラする」「将来のことが何となく不安」。誰でもマイナスの「苦しい」感情を抱えてしまうことがあります。しかし、「苦しい」感情を放置していても改善することはありません。心も体も不健康になり、ますます苦しくなるのです。では、どのように対処したらよいのでしょうか。
今回は「人生うまくいく人の感情リセット術」(三笠書房)を紹介します。著者は精神科医の樺沢紫苑さん。メディア出演も多いのでご存じの方も多いでしょう。脳科学に裏付けられた「感情リセット術」は、「脳科学」と「心理学」に基づく科学的メソッド。著者独自の経験をもとに確立した理論は大変ユニークでした。
3つの脳内物質が決め手になる
「苦しい」と「楽しい」。正反対の2つの感情の正体をご存じでしょうか。近年の脳科学研究によって、「感情」や「気分」は物質に起因することがわかってきました。「心」の変化と思われていたことが、脳内物質やホルモンの増減であると解明されたのです。
「私たちは苦しい状況に陥ると、不安と恐怖に支配され、気分も落ち込みます。しかし、それは生体のストレス反応、つまり条件反射のようなものです。『苦しい』状態では、『ノルアドレナリン』『アドレナリン』『コーチゾール』という『ストレスホルモン』が分泌されます。これらの物質が私たちの心や身体に悪影響を与えています」(樺沢さん)
「『楽しい』もまた脳内物質の変化で、楽しいときに分泌する脳内物質が『ドーパミン』『エンドルフィン』『セロトニン』です。ドーパミンは、『幸福物質』とも呼ばれ、目標を達成したとき、夢や願望が実現したときに分泌されます。『やったー』と達成感を感じているときは、ドーパミンが出ている状態です」
樺沢さんは、これから楽しいことがあるという「ワクワク」した気分のときや、大好きな人のことを考えて「ドキドキ」するときにも出ていると解説します。
「『楽しい』に欠かせないもう一つの脳内物質が『エンドルフィン』です。これは『快物質』と呼ばれ、ドーパミンの約20倍の『幸福感(強い快楽)』を与えます。スポーツの大会で優勝したときなど、大きな目標を達成し、気分が高揚しているときに分泌されます。また、激しい運動を続けているときにもエンドルフィンは出ます」
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