あらゆるしがらみから自分を解放しよう! イヤな人に合わせる必要はない!
ベストセラー作家で歯学博士、経営学博士の井上裕之さんの著書「悪いエネルギーは1ミリも入れない」を紹介します。

潜在意識とは、心理学や精神医学で「活動はしているが自覚されない意識」のことを指します。潜在意識には秘められたエネルギーがあり、これに気がつくことが社会生活をする上で大切だとする書籍を多く見かけます。これは正しいのでしょうか。
今回は、「悪いエネルギーは1ミリも入れない」(すばる舎)を紹介します。著者はベストセラー作家であり、歯学博士、経営学博士の井上裕之さん。医療法人社団いのうえ歯科医院理事長、島根大学医学部臨床教授ほか国内5大学客員講師の職務にあります。
なりたい自分を明確にすればブレることはない
あなたは今、壁一面に絵が飾られた部屋の中にいるとします。そこで、目をつむって、「赤い絵の前に行ってください」と言われたら、どうするでしょうか。この質問に対して、井上さんは次のように解説します。
「視界を閉ざされた中では、どれが赤い絵か分かりません。当てずっぽうに足を運んでも、赤い絵にたどり着ける可能性は低いですよね。もし、誰かに『こっちだよ』とささやかれたら、そこに行ってしまうかもしれません。見えない中で目を開けてみたら、青い絵だった、ということもある。見えない中で正解にたどり着くのは非常に困難です」
「『目的』を持たずに生きるということは、これと同じことをしているようなもの。『目的』が見えていなければ、理想とする場所にたどり着けないのは当たり前です。そして、自分でも見えていないからこそ、人の意見に惑わされてしまうこともある。でも、逆に言えば、見えてさえいれば、真っすぐ正解に向かって歩けるというこです」
確かに、「赤い絵の前に行く」という「目的」をしっかりと持っており、目を開けて歩けば、間違う人はいないはずです。途中で、青い絵に誘導する人や、「それは本当は赤くないんじゃない?」なんて言う人がいても、自分の目を信じて歩くはずです。
潜在意識を放出するには「目的」があるとよい
「潜在意識というのは『目的』に対して反応していきます。知識の貯蔵庫に蓄積されたものの中から、『目的』に沿ったものにフォーカスする。そして、新しく何かに触れるときにも、目的に役立ちそうなものに対して反応し、それを取り入れようとするのです」
「仕事で企画を考えるときに、オフィスのデスクでは何も浮かばなかったのが、お風呂に入っているときや眠ろうとベッドに入った瞬間に、ふとアイデアが降りてくるようなことがありますよね。これは、あらかじめインプットしておいた『目的』に、潜在意識が反応したからです」
だからこそ、「なりたい自分」「ありたい自分」を明確にしておくことが大切だと、井上さんは主張します。自分の理想像をイメージできていれば、そこに近づくために必要な情報が集まりやすくなり、イメージがあれば人は無意識にそこに近づこうとします。
この類いの書籍には珍しく、手法まで解説されています。その手法は極めて「当たり前」のことです。つまり、「当たり前」のことの継続が大切だということでしょう。女性向けの手法が多く、自立したい女性には気づきがある内容ではないかと思います。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)
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