犬の首輪に付いている「トゲトゲ」は何のため?→実は「単なる飾り」じゃなかった!
さまざまなデザインのものがある、犬の「首輪」。中には「スタッズ」と呼ばれるトゲが付いたものもありますが、実は「ただの飾り」で付いているものではないようです。

犬を飼っている人にとって、必須アイテムの一つといえるのが「首輪」。ペットショップなどでは、犬種やサイズに応じたさまざまなアイテムを見ることができます。この「犬の首輪」ですが、金属製のトゲ・びょうが付いたものを見たことがある人もいるのではないでしょうか? 実は、「スタッズ」と呼ばれる犬の首輪のトゲは、ただのデザインではなく「ある理由」により付けられたものだそうです。その由来を見てみましょう。
オオカミは犬を襲う際…
犬の首輪にスタッズが付いている理由は、犬を「猟犬」として飼う人が多かった時代までさかのぼります。飼い主とともに山へ猟に向かう犬にとって、天敵といえば、山中に潜む「オオカミ」。オオカミは犬を襲う際、動物の本能で急所である喉を狙います。そこで、犬の首輪にスタッズを付け、急所を攻撃されることを防ごうとしたというわけです。
また、オオカミの他、イノシシやクマなどの野生動物に遭遇した際も、この首輪があれば致命的な攻撃を防ぐことが可能。さらには、襲撃してきた敵に傷を負わせる目的もあったといいます。
現代の日本では猟犬の数は減っていますが、いまだスタッズの付いた首輪は販売されており、道行く飼い犬が付けているというケースも。これは「急所を守るため」というよりも、かつての「名残り」がデザインとなったため。スタッズ自体も安全性の高いものが一般的です。
ちなみに、世界的に見ると「トゲつき首輪」そのものの歴史はとても古く、紀元前の古代ギリシャ時代や古代ローマ時代までさかのぼります。この頃には既に家畜を守るための「番犬」が存在し、外敵から急所を守る目的で首輪にスタッズが付けられていたそう。この時代の首輪のスタッズはトゲが鋭く、まさに「強そう」なデザインが特徴的でした。
また、現在でも鋭いトゲの付いた首輪は存在します。多くは海外で、ヒツジをオオカミから守る牧羊犬などに使用されており、「ウルフカラー」と呼ばれています。
「スタッズ」付きの首輪は、飼い犬の身を守るため、長きにわたって使用されてきました。昔から人間が犬を大切にしてきた証といえるかもしれませんね。
(オトナンサー編集部)
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